毎日新聞によると、河野太郎行政改革担当相はワクチン接種について、65歳以上の高齢者への接種開始は4月1日(2021年)以降になるという見通しを示した。政府は当初、3月下旬~4月上旬に高齢者の接種を開始するとしていた。接種を終える時期については「6月第3週となる見込み。一般人への接種開始時期はまだわからない」とした。
一方、すでにワクチン接種を進めているイスラエルでは、想定以上の有効性が確認されている。地元メディアによると、ファイザー社ワクチンを2回接種し、7日以上経過した12万8600人のうち、接種後に感染したのは20人(陽性率0.015%)だけ。しかも、20人の感染者のうち38.5℃以上の高熱が出た人は1人もおらず、ワクチン接種で重症化しなかった可能性があると見られている。
東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授は「それぞれの地域・国での流行の状況にもよるが、臨床試験以上の効果が出ていると捉えられる」と話した。
そんななか、海外でのワクチン接種の映像を見た人たちからは「注射を垂直に刺すの、痛そう」などという声が上がっている。ワクチン接種には皮下注射と筋肉注射があるが、新型コロナワクチンは筋肉注射で、注射針を筋肉に達せさせる必要があるためだ。
1970年代、筋肉注射が社会問題に
海外では当たり前のように行われる筋肉注射だが、日本では髄膜炎菌、狂犬病、子宮頸がんなどで行われる程度で、インフルエンザワクチンなど多くの場合が皮下注射だ。これには理由がある。1970年代に解熱薬や抗菌薬の不適切な筋肉注射が多発し、約3600人に大腿四頭筋拘縮症が報告されるという社会問題があった。そのため日本では筋肉注射が避けられるようになっていたのだ。
ワクチン学会の理事を務める長崎大学大学院の森内浩幸教授は「私も子供のころお尻に注射を打たれていたが、それが筋肉注射。この社会問題がトラウマになっていることは否めない。日本だけがガラパゴス状態」と話すと、女優の高木美保は「お尻に注射されて、痛くて1週間歩けなかった」。テレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「お尻は鈍感だから痛くないのでお尻に注射されたのかと思っていた」とコメント。斎藤ちはるアナは「お尻に注射されたことありません!」と、先輩たちの体験談に驚いていた。
森内教授は「筋肉注射は皮下接種に比べ接種部位の発赤が少なく免疫がしっかりつくことが多い」として、「中途半端に刺すと筋肉に届かないのでブスッと刺します。ゆっくり少しずつ刺していくより一気に刺すほうがずっと楽です。痛みはワクチンのpH度や浸透圧と関係するが、ほかのワクチンと変わらない」と話した。
アレルギーなどの副反応を心配する高木美保は「菅首相に蓮舫さんが言ったように、具体的にきめ細かく例を挙げて、安全性と危険性について説明してほしい」と訴えたが、玉川は「痛くてもコロナで苦しむよりまし。比べたらワクチンを打ったほうがいい」と話した。