<木曜ドラマ 「にじいろカルテ」>(テレビ朝日系)
嫌な人はひとりも出てこない。岡田惠和の紡ぐ世界は優しさに満ちて、癒し効果抜群だ

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   テレビ朝日の木曜ドラマで医療モノといえば、まず浮かぶのが「ドクターX~外科医・大門未知子~」だろう。米倉涼子演じる大門未知子の決めゼリフは「私、失敗しないので」。一匹狼、フリーランスの最強外科医。一方、こちら「にじいろカルテ」の主人公・紅野真空(くれの・まそら)は、東京の大病院で働く内科医。今のところメンタルよわよわ崖っぷちの最弱内科医だ。

   ある日、突然、緊急外来中に倒れ、多発性筋炎という難病が発覚。病院からは「医者は要るけど患者は要らない」と戦力外通告を受ける。が、奨学金を返さなくてはならないという事情もあり、医者の仕事も続けていきたいと悩む。ある時、山奥の虹ノ村で医師を募集していることを知り、病を隠して応募。即、採用され、虹ノ村へ。

  • テレビ朝日 番組公式サイトより
    テレビ朝日 番組公式サイトより
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どこか「Dr.コトー診療所」を彷彿させるが...

   役場の霧ケ谷桂(光石研)、緑川嵐(水野美紀)を始め、虹ノ村の面々は温かい人たち揃い。村唯一の商店兼食堂「にじいろ商店」の橙田夫妻(安達祐実・眞島秀和)、じじーず(泉谷しげる・半海一晃・モト冬樹)と個性派揃いで、初回なのにもうチームが出来上がっていてお馴染み感満載。診療所には、外科医の浅黄朔(井浦新)と、看護師の蒼山太陽(北村匠海)の2人がいて、男女3人の共同生活が始まる――。

   虹ノ村はとにかく村全体的に優しさが溢れていて、嫌な人がひとりも出てこない「どうぶつの森」のような村だ。どこか「Dr.コトー診療所」を彷彿させるのは、泉谷しげると光石研がいるからかもしれない。村を挙げての大歓迎ムードに、真空は泣き出し、隠していた病のことを打ち明ける。と、ここで「Dr.コトー診療所」なら、泉谷しげるが、反対派に回るところだが、こちらではそんな気配もなく、全員が真空を受け入れ、少し拍子抜け。

   これまでのドラマなら、外科医の井浦と対立しがちだが、こちらも100%ウエルカム。ウレタンマスク警察が跋扈するトゲトゲした現実社会とのギャップに心が洗われた。「ひよっこ」の岡田惠和の紡ぐ世界は優しさに満ちて、癒し効果抜群だ。(毎週木曜よる9時~)

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