昨年の女性の自殺者は6976人だった。コロナ禍の経済へのダメージが広がりだした夏から増え、10月には最多の879人が亡くなった。番組コメンテーターでフリーライターの望月優大氏は、「コロナ禍では、仕事でも家庭でも女性により負担が大きくなる傾向がある」と見る。
都内に住む1歳と4歳の2児の母、佐藤知世さん(31)は夫と4人暮らし。佐藤さんはIT企業に勤めるが、週に4日はテレワーク。子供たちはコロナのために保育園への登園回数が減少、「市内の保育園で感染があって、できれば登園自粛をしたい」。育児負担は今のところ妻一人だ。昼食はパソコンを見ながら立ったままラーメンをかきこんだ。朝4時半に起きて、子供が起きてくる前に仕事をしたり、夜寝かしつけてから仕事をしたり。
番組取材班が、都内の「子ども食堂」で出会った親子の母は、アルバイト先のコンビニが閉店し仕事を失った。子ども食堂は子どもは無料、母は200円。「4月から子どもが小学校に上がるけど、不安や焦りが...」。
コロナ禍で仕事を失った非正規雇用で働く人は、男性が279万人に対し、女性は倍近い535万人だ。小学生の娘2人がいるシングルマザーのBさんは、アルバイトで働いていた飲食店が休業中だ。「再開は厳しいのかな。先行きが不安」
「エンディングノート」つけるシングルマザー(30代)も
30代のシングルマザーそらさん(仮名)は、介護施設で事務の仕事をしながら唯乃ちゃん(1歳半)を育てる。月給は約16万円。日曜保育がコロナで自粛になった。ほかに頼れる人がいないため、ベビーシッターを使うと、多いときで月6万円がかかる。コロナ禍で「若くてもいつ何があるか分からない」と感じるようになり、昨年の夏から「エンディングノート」をつけるようになった。
「もし、私に何かあったら、唯乃さんは施設に入って下さい。きっと私の友人たちが力になってくれると思う。だから迷惑かけず助けてもらってね」。そらさんは、「私がいなくなってからも娘がこれを見て分かるように。見返して私の思いも残るように」という。
MCの立川志らく「政府は、一番弱っているところに目を向けるべきだ」
「一律10万円再給付」を切り捨てたA大臣、この母親たちに届くような方策を考えてほしい。
文・栄