イギリス由来の変異ウイルスの感染が東京都内でも確認された。厚労省担当者は「市中感染の可能性はあるが、面的な広がりがあるような状況ではないと見ている」と話している。ただ、変異ウイルスかどうかの検査は全体の5％にすぎない。
感染したのは都内在住の10歳未満の女児。渡航歴はなく、入国者との接触もない。19日（2021年1月）に感染が分かり、無症状だが変異ウイルスだと確認されたため、入院している。感染経路は、15日に発症し入院中の濃厚接触者の40代男性と見られるが、この男性も渡航歴も入国者との接触もない。男性のウイルスについては現在、国立感染症研究所がゲノム解析をしているところだ。
英首相「イギリス型は感染率だけでなく死亡率も高い」
山口真由（ニューヨーク州弁護士、信州大学特任准教授）「私たちができることは、限られている。変異ウイルスにきちんと備えるべきは政府です。どうして準備を第1波の時にしておかなかったのか。私たちがずっと我慢している間に医療キャパシティーを上げるとか、保健所の対応をある程度オンライン化するとか何らかのことをしてほしい」
日本医科大学の北村義浩特任教授「コロナの実効再生産数は3ですが、今みなさんがマスク着用、手洗い、3密を避けるなどして頑張っているので0.9（25日現在、東京）まで下がっている。ところがこの変異ウイルスは1.7倍くらいの感染力があると言われていますので、同じように頑張っても全く抑えられない」
「まず政府がゼロを目指すくらいの強い取り組みをすること、そして我々も鼻を出してマスクをしたりせず、頻繁に換気をすること。しっかりやることが大事です。変異種は甘くみてはいけません」
さらに心配な情報も入って来た。イギリスのボリス・ジョンソン首相は22日、イギリス型は感染力だけでなく、死亡率も従来のウイルスより高い可能性を指摘した。
イギリスでは去年（2020年）9月に変異種が確認されて以来、死亡者数が激増しており、今月20日には1日の死者数が1826人に達した。イギリス政府が発表したデータによると、従来の新型コロナは60代男性1000人の場合で死亡するのは10人だったが、イギリス型では13～14人が死亡。死亡率は30～40％上がっている。
北村氏は「一般的に、大きな流行の波の真っ最中に病原性が上がったか下がったかは計算できない。医療崩壊の結果としての死者数増という可能性もあり得ます」と話している。