パチンコ店やネットカフェなどを全国に展開する「エンタープライズデンデン」社長・田所仁志(井上肇)が就寝中に何者かに撲殺され、口から大量のパチンコ玉を押し込まれている遺体が見つかった。3年前にも同様の手口で高級官僚が殺害されており、連続猟奇殺人事件として警視庁捜査一課の捜査が始まった。
創薬ベンチャー企業「コ・アース」社長・日高陽斗(高橋一生)の犯行を裏付ける証拠をつかんだ捜査一課刑事・望月彩子(綾瀬はるか)は、歩道橋の上で満月を見上げていた日高に自首を勧める。だが、日高は田所殺害の決定的証拠となる革手袋を疾走してきたトラックの屋根に捨て、立ち去ろうとした。その日高を不法投棄の現行犯として逮捕して手錠をかけようようとした望月は、日高もろとも階段から転げ落ちてしまう。
殴り殺す場面を写した動画を彩子に見せ、精神的に追い込んでいく
意識を失って運び込まれた病院で目を覚ますと、刑事・望月の魂が殺人鬼・日高の身体に、殺人鬼・日高の魂が刑事・望月の身体に入れ替わっていたのだ。
日高(身体は望月)は、望月(身体は日高)に「出頭して一生を塀の中で過ごすか、それとも自分と協力して容疑を晴らすか」と二者択一を迫り、「あなたが私を裏切らない限り、あなたを助けますよ」と甘い言葉をかける。もしも日高として逮捕され、裁判にかけられれば、死刑は確実だ。望月(身体は日高)はやむなく後者を選択し、日高(身体は望月)の指示で、警察の家宅捜索が入る前に日高のマンションから連続殺人の証拠品が入ったダンボール箱をこっそり持ち出し、なんとか家宅捜索を乗り切った。
一方、これまではスッピンで男勝りの言葉遣いをしていた望月が、化粧をしたり言葉遣いが上品になったりと急に女性っぽくなったことを周囲はいぶかるが、日高(身体は望月)はにっこりと笑って「思うところありまして、路線変更いたしました」と煙に巻く。
入れ替わる前の日高が証拠となる革手袋を捨てたため、警察は確証をつかむことができず、日高の秘書・五木樹里(中村ゆり)の素早い根回しもあり、望月(身体は日高)は事情聴取されただけで釈放された。
日高が暮らす高級マンションに戻った望月(身体は日高)は、自宅に居候するフリーター・渡辺陸(柄本佑)なら、本物の望月ではないことに気づいてくれるはずだと期待する。
ところが、そのころ渡辺は日高(身体は望月)と仲良く食卓を囲んでいた。おまけにランジェリー姿の日高(身体は望月)にベッドに押し倒された渡辺は、望月(身体は日高)の期待に反して簡単に籠絡されてしまう。
その後、日高(身体は望月)は、最悪のサイコパスでシリアルキラーの本性も露わに、新たな猟奇殺人に走った。逆さ吊りにした男をゴルフクラブで殴り殺し、その一部始終をスマホで望月(身体は日高)に見せたのだ。被害者の返り血を浴びた日高(身体は望月)は「あなたは私で、私はあなたです」と、望月(身体は日高)を精神的にさらに追い込んでいく......。(よる9時放送)
寒山