新型コロナの最前線で日々尽力する倉持仁医師が誹謗中傷の被害に遭っているという。
インターパーク倉持呼吸器内科(宇都宮市)ではコロナ疑い患者の診療をしていて、1日約200件のPCR検査をしている。受付終了時間は午後4時だが、患者が多いため診療が終わるのは毎日午後9時過ぎという忙しさだ。それでも倉持医師はツイッターやテレビ出演などを通して新型コロナ情報や医療現場の現状を発信し続けてきた。
そんな中、クリニックの駐車場に「テレビに出ないでください。コロナが拡大したのはインターパーク内科がテレビに出たため。責任とってください」などと書かれた中傷ビラが貼られた。さらにクリニック宛てに中傷はがきやカッターナイフが入った封筒まで送られてきた。ツイッターには誹謗中傷のコメントが書き込まれ、倉持医師になりすましたデマ情報まで発信されたという。これらの嫌がらせは、ごく一部にすぎない。
倉持医師「建設的な意見を下されば、問題提起もできるが...」
倉持医師は「毎日懸命に患者さんと向き合っている中で嫌がらせがあることは非常に悲しく許せない。診療に集中したいのに、それ以外のところで気持ちを消耗してしまっている」と憤る。
「こういう方は困窮している面もあるんだと思います。しかしこういうことをされても我々としては悲しいだけ、あるいは怒りが沸いてくるだけでプラスには働かないのでぜひ止めていただきたい。一方で、困っている方が建設的な意見を下されば、私もテレビなどで問題提起できます。そういう形で使っていただけたらと思います」と倉持医師は言う。
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「本来であれば、注意喚起などは、医療関係者の人が自らやらなければならないほど追い詰められる前に、政治家やリーダーがやるべき仕事です。なかなか明確なメッセージが出てこない中で、現場からの責任感と使命感で代わりにしてくださっている。誹謗中傷する方の背景は経済的な困窮などもあるかもしれませんが、怒りの矛先はお医者さんではないですよね」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「これ、逆ですよね。倉持先生が状況を訴えているからこそ、『気を付けよう』という人が出て感染が抑えられると言うなら分かる。なんでテレビに出るとコロナが広まるんですか? これは単なる八つ当たりではなく卑怯だと思います」