公募したクイズ挑戦者が足りず解答権のないエキストラで補充していたことが発覚したフジテレビのクイズ番組「超逆境クイズバトル‼99人の壁」について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は18日、「視聴者との約束を裏切るものであった」として放送倫理違反があったとの意見を公表した。
番組は俳優の佐藤二朗が司会を務め、事前オーディションで集めた一般出場者100人の中から1人のチャレンジャーを選び、ほかの99人と早押しクイズで対決、全問正解を目指すという内容。2017年の大みそかに単発番組として放送されたが、その後第3回まで特番で放送され、さらに2018年6月からレギュラー化された。
100人中、最も多い回で28人がエキストラの時も
だが、2020年2月にBPOにエキストラで補充しているとの情報が出演者から寄せられ、フジテレビが内部調査。その結果、2018年8月15日放送の特番から2019年10月26日放送の第25回までのすべての回で、解答権のないエキストラの補充があったことが判明したとして、2020年4月にフジテレビが番組ホームページで「お詫び」を掲載した。
番組は同年6月に再開され、隔週土曜を基本に放送されている。
検証委によると、2018年8月放送の特番収録日の7月28日当日、台風の影響で欠員が生じ最終的に4人のエキストラを補充、クイズに解答しないように指示したのが始まり。レギュラー化によりその後も欠員が生じたため、第25回までの全回、最も少ない回で3人、最も多い回では28人、総数で406人のエキストラ補充があったとした。
検証委は、1年間にわたりエキストラ補充が常態化していたのに、チーフプロデューサーが制作の多くを若手ディレクターに委ねたため、実質的なリーダーが不明確だったと指摘。「1人対99人」の対決という趣旨を信頼した多くの視聴者との約束を裏切るものだったと結論付けた。(TVウォッチ編集部)