議事堂襲撃はトランプ支持の過激民兵組織「オースキーパーズ」? その正体は...

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   アメリカの連邦議会議事堂内の映像を見ると、大勢の兵士たちが広間や通路で寝そべって休息をとっている姿が確認できる。彼らはここで寝泊まりし、20日(2021年1月)に迫る大統領就任式まで警備にあたっている。動員される兵士はおよそ2万5000人だ。

   前代未聞の厳戒態勢を取らざるを得なくなった引き金は、トランプ大統領の呼びかけに応じ、数千人が議事堂を襲った6日の暴動だ。暴徒化したトランプ支持者は壁をよじ登り、窓ガラスを割り、議事堂に侵入。数で警察を圧倒した。

   トランプ氏の過激な支持者たちの正体は、「オースキーパーズ」と呼ばれる民兵組織で、軍人、退役軍人、警察官、消防士などで構成されており、メンバーは約3万5000人いると主張している。彼らは「裏で政治を操っている者(エリート層)たちが犯した罪を開示すること」を活動内容としている。

   リーダーのスチュワート・ローズ氏は「民主党が投票詐欺を行い、バイデン氏が当選した。我々はバイデン氏を容赦しない」と攻撃の手を緩めないことを宣言している。

「暴力は認められない」とのトランプ氏の抑制もきかないのか?

   暴動を扇動したとされるトランプ大統領は13日、「暴力と破壊行為はこの国では認められない」と過激な支持者らを非難したが、抑えは効かなかった。

   オースキーパーは翌14日、トランプ大統領に「大統領の人気を終える前に行動することを求める。我々はあなたの呼びかけに応える準備はできている」と書簡を発表。15日には検問所を突破しようとしたトランプ支持者の男が逮捕された。この男は弾丸500発と就任式用のニセの身分証を持っていたと言う。

   ハーバード大、ジュリアード音楽院を主席卒業したバイオリニストの廣津留すみれは、「『エリートが悪だ』とか『全てを操っている』などというのは空論です。オースキーパーズに限らず、真偽の分からない情報にみんなが付いて行っているというのは怖い。SNSや掲示板で募って暴徒化しているわけですが、何が正しくて何がフェイクなのかを見極める訓練をしておかないといけません」と話した。そしてトランプ政権下の4年間で「善と悪」という極端な価値観が目立つようになったことに触れ、「非常に残念です」と感想を述べた。

   青木理(ジャーナリスト)「陰謀論者とか人種差別主義者とかは多数派ではないと思うけれど、トランプさんは明らかにそれをあおってきた。そして結果として、そうではない人も含めて7400万票の得票数を得たわけです。それは既存政治に対する不信や絶望が根強く広まっているということ。そう考えると、バイデン政権も課題が多いですね」

文   ピノコ| 似顔絵 池田マコト
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