「一見さんお断り」。富士山のふもとにある御殿場市の飲食店が張り出した貼り紙に、賛否両論が起きている。
同市には大型のアウトレットもあり、年間1400万人が訪れる。貼り紙は、1都3県に緊急事態宣言が出たことを受け、御殿場市が約200の飲食店に配布したという。
駅前の中華料理店は店の入り口に張り、従業員は「感謝しています」。県外や都内からの感染者が来て、店で感染が拡大すると困るという。「お店を閉めなければならなくなるのも怖い」。また、ダイニングバーの店主は「常連さんを不安にさせてはいけない、との思いがある」。
一方で「絶対よくないと思う。おれには無理」と反発するのは、焼鳥屋の主人だ。「自粛、自粛で半年以上。ファミリーで三密を避けて車でちょこっと、来てくれた人に嫌な思い出をもってほしくないね」。隣の神奈川や山梨からも多くの客が来るダーツバーのオーナーは、「御殿場市民としては、ちょっとがっかりだったな」。貼り紙は、店主と市役所の連名になっている。
市の担当者「やむを得ずやっている。ご理解を」
御殿場市によると、飲食店から「断りづらいので、何とかならないか」との要望があり、それに応えた措置だという。市の担当者は「市民の命と健康を守るために、やむを得ず実施している。皆様にはご理解をお願いしたい」。
MCの立川志らく「両方の気持ちがわかる。個々の店で判断すべきことだ」
コメンテーターの田村淳(ロンドンブーツ)「行政主導するべきじゃないと思う。お店の人も、言いにくいかもしれないけれど、自分で発信すべきだと思う」
福田麻貴(3時のヒロイン)「(一見お断りの貼り紙は)別にええやん、と思う。気分は害しませんよ。それより感染対策の方が大事なんだな、って思うだけ」
コメンテーターの望月優大(フリーライター)「中国人お断り、と貼り紙した店が問題になったが、御殿場市の場合は、民族とは関係ない。むしろ、行政が旗を振るのはどうかと思う」
常連さんと観光客と、それぞれを大事にする店同士が話し合えればよかった。
文・栄