番組は冒頭で、全豪オープンテニスの出場選手が、ホテルの部屋でスマッシュの練習をしたり、立てかけたマットレスに力いっぱい打ち込みをしたりする映像を映し出した。大会側が用意したチャーター機内の乗客からコロナ陽性者が出たため、乗り合わせた72人の選手がホテルの部屋で2週間外出禁止になってしまったのだ。その中には錦織圭選手もいた。
東京五輪でも同じような事態が起きる可能性がある、と番組は指摘。果たして五輪開催ができるのか注目が集まる中で、内外の政治家やIOC幹部らの発言が相次いでいる。
河野太郎・行政改革担当相は14日(2021年1月)ロイター通信の取材に対し、「われわれは現時点では、五輪に備えて最善を尽くす必要があるが、どちらに転ぶかはわからない」と発言、日本の閣僚として初めて五輪中止の可能性に言及した。これを受けて米ニューヨークタイムズは「東京五輪開催に暗雲」と伝え、その理由として、「ワクチン普及の遅れ、日本国内で開催に否定的な世論の広がり」を指摘した。
菅施政方針演説「人類が打ち勝った証として...準備進める」
共同通信の最新の世論調査では、「今夏に開催すべき」は14.1%で、「再延期すべき」44.8%、「中止すべき」35.3%が圧倒的に多い。
大会組織委員会の森喜朗会長は、「今年は難しいでしょうとは、口が裂けても言えない。私が言えば、ニュースや朝刊に、会長が弱みを見せた、と出る。あとは毎日毎日、神様にお祈りする。それしかない」(1月12日)。
IOCの最古参委員のディック・パウンド氏は「開催を確信できない」「5~6月上旬までに判断しないと」。JOCの春日良一・元参事は、「ギリギリの決断時期は、5月の下旬くらい」と推測した。
菅首相は昨日の施政方針演説で、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として、世界中に希望と勇気をお届けできる大会を実現する、との決意で準備を進める」と述べた。
キャスターの立川志らく「前から、やれるわけねえだろ、って言ってきた。一方で、卓球の石川佳純さんの活躍を見ると、やらせてあげたいな、とも思う。でも、泣くのは五輪選手ばかりじゃない。甲子園の選手だって、生活かかっている飲食店も泣いた。無理やりやって感染広がったらだれが責任取るのか」。
決断の時期はまだ先。ギリギリまで可能性をさぐってもいい。
文・栄