きょう18日(2021年1月)のあさイチは「愚痴」がテーマだった。
コロナ禍で友人らと会う機会が減り、愚痴が溜まっているという人も多いのでは。愚痴は適度に吐き出すことでストレス解消になり、心身の健康につながるが、言う相手を選ばないとトラブルにつながるおそれもある。
小林孝司アナウンサー「言う側と聞く側に上下関係がある場合に、本当に危険な状態になってしまうこともあるんです。ある親子の例を取材しました」
「お母さんの機嫌を損ねない返事を常に探していた」
現在夫と娘と3人で暮らしている鈴木さん(仮名)は、長年実の母からの愚痴に苦しめられてきたという。
鈴木さん「物心ついた頃から母の愚痴を聞くことがすごく多くて、ずっと一方的に支配されているような気持ちでしたね。とても辛かったです」
母はすべての家事をうまくこなし、周りからも素敵なお母さんと羨ましがられる自慢の母だった。しかし鈴木さんと二人になると、必ず誰かに対する愚痴をこぼしてきたという。内容は「お父さんが無駄遣いをした」「PTAで面倒なことを言われた」など日常の些細なことばかりで、母は他の人には決して愚痴を言わなかったため、最初は自分が頼られていると嬉しく感じていた。
しかし鈴木さんが中学生になった頃から、母の愚痴が苦痛になり始めたという。愚痴に対しアドバイスをしてみても「あんたに私の気持ちはわからない」と母が不機嫌になってしまい、何も解決せず日々繰り返される愚痴に、自分は役に立てていないのではないかとプレッシャーを感じるようになった。
鈴木さん「お母さんの機嫌を損ねない返事を常に探している感じで、自分はどうせ何もできない、自分はだめなんだとぐるぐる考え込むことが多くなって、自分を好きになれなくて...もう大嫌いでしたね」
鈴木さんは人との交流を避け、時に自傷行為に及んでしまうことも。当時は苦しみの原因が何かわかっていなかったが、6年前に母が亡くなり、一方的に聞かされていた愚痴が自分を苦しめていたと気付いたという。
鈴木さん「母のことは大好きだったし、死んでよかったなんて全く思っていないんですけど、やっと解放されたというのがあった。母は多分私には甘えてくれていたんだと思います。それがだんだん子供にとっては重くなっていって、当たり前のように日常化していくと子供は潰れると思います」