2度目の「緊急事態宣言」、溢れる菅首相、小池都知事、尾身茂分科会会長の悪評 もはや政権末期か!

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尾身茂分科会会長と「感染ムラ」の間違い

   さて、菅も悪いが、尾身茂感染症対策分科会会長と「感染ムラ」はもっと悪い、即刻退場させろと、サンデー毎日で医療ガバナンス研究所理事長の上昌広が吠えている。彼らの間違いは、

   「発熱者と濃厚接触車だけをPCR検査対象とするクラスター戦略にしがみつき、感染を爆発的に広げる無症状感染者を市中に野放しにした。(中略)であるにもかかわらず、失敗した張本人がそれを認めることもなく、英雄気取りでロックダウンしろと言っている。その張本人をメディアも叩かない。可哀想なのは失敗の被害者たる飲食店主たちだ」

   そして、「これまで何度も口を酸っぱくして申し上げてきたが、PC Rの『頻回検査』しかコロナ拡大を防ぐ道は無い。

   世界の趨勢でもある。昨年12月2日には、PCR検査体制の強化が最も有効なコロナ対策である、との論文が医療政策のトップジャーナル『ヘルス・アフェアー』誌に掲載され、話題となったが、日本で報じられることはなかった。

   『専門家』たちはいまだに偽陽性問題、医療崩壊の懸念を言い続け、検査抑制姿勢を見直すつもりはない。彼らが言うような形でのPCR検査多用による医療崩壊ケースは世界には一つもないが、皮肉なことに日本では、検査不足が市中感染蔓延を通じて医療崩壊なる現象を招来しつつある」といい切る。

   尾身がやるべきことは、「米英が早い段階で(ワクチン=筆者注)接種を始めたので、半年たてばある程度副作用の全体像が見えてくるはずだ。その際菅首相は製薬企業に対し、高齢者、アジア人データを求めるべきだ。尾身氏が専門家として助言すべきは、マスク会食ではなく、こういったことについてである」と指摘する。

   新潮は、尾身が理事長を務める独立法人が都内で運営する病院はいくつもあるのに、コロナ患者の受け入れには非協力的だと厚労省周辺関係者が批判している。

   「"首都圏は感染爆発相当"などと国民の不安を煽っている彼は、実はコロナ受け入れに消極的なのです」

   二枚舌を使い分けているようだが、コロナ対策の司令塔がこれでは、菅首相が正しい判断を下せるわけはない。

   では、菅の鼻面を引き回している小池都知事はどうか。小池や日本医師会は、都民や国民が知るべきデータを出していないと、東京慈恵会医科大学の "神の手"といわれる大木隆生外科統括責任者が新潮で断じている。

   大木は、日本医師会がいうような「医療崩壊」はしていない、経済を動かしながらコロナと共生するしかない、コロナの死因はインフルエンザより下で亡くなった人の平均年齢は80歳を超えている、人間ドックは不急医療の最たるものだから4~5月までやるなと主張している。

   頷けるところが多々あるが、なかでも、重症者に必要なICUは、東京都を含めた日本中に沢山あるのに、それが知らされていないという指摘に驚いた。

   「東京都にはICUとHCU(準集中治療管理室)を合わせて2045床ある。(中略)少なくともハードウェアのキャパシティがこれだけあることを知る権利が、国民にはあります。(中略)全国のICUの総数が1万7377だということも報じられていません。全国の重症者数が850なら使用率は4.9%です。政府も医師会も都も、こうしたファクトを示したうえで、どうしたら使えるようになるのか議論してほしいです」

   大木は、外科医は無力ではない、人工呼吸器は扱えるといっている。「新型コロナの治療は意外にベーシックな内容なので、感染症医や呼吸器内科医が指揮しながら、前線には外科医をふくむほかの診療科医がいるという布陣はとれます」(大木)

   罰則を含む特措法など慌ててつくる前に、医療崩壊しないような方策を即刻とることが、政府のやるべきことであるはずだ。

   サントリーホールディングスの新浪剛史代表取締役社長も、「いま特措法改正で、従わない飲食店に罰則を科すことが検討されていますが、私は即罰則を科すことには反対です。(中略)例えば営業時間短縮や感染対策が不十分な店舗には、まずスーパーバイザーを派遣して指導する。それでも従わなければ、二度目からは罰則を科せばいい」

   新浪は、小池都知事のやり方も批判している。

   「歓楽街をターゲツトにした『夜の街』もそうでしたが、小池知事はワーディングや会見での発信は巧みです。ただ、もう少し他に実効性のある対策の打ちようがあったのではないでしょうか。これだけ無症状の感染者が増えているわけです。無症状=自宅療養ではなく、他人との接触をさらに減らすため、ホテル以外に隔離スペースを用意する、とか、最前線で活躍頂いている医療関係者への給料を補填するなど、できることは色々あるはずです」

   新浪社長のいうように、コロナをいち早く終息させ、安心感がなければ消費は上向かない。

   罰則を科せば国民はいうことを聞くだろうと考え、戦前の治安維持法のようなものをつくり、誰かさんによく似た「特高警察」を全国に配置しようというつもりかもしれないが、そんなことをすれば、溜まりに溜まっている国民の怒りが爆発するだろう。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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