2度目の「緊急事態宣言」、溢れる菅首相、小池都知事、尾身茂分科会会長の悪評 もはや政権末期か!

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"行政の徹底したスリム化"目指す菅政権

   菅に対する論評で興味深かったのは、文藝春秋(2月号)の片山杜秀慶應大学教授だった。

   菅にはよく「国家観がない」といわれるが、菅政権が打ち出しているデジタル化の推進、マイナンバー制度の活用、菅のブレーンの竹中平蔵がアドバルーンを上げているベーシックインカムなどに、目指していることが明確に示されているというのだ。

   「一言で言えば、新自由主義にもとづく"行政の徹底したスリム化"です。この傾向が、一定のオブラートに包まれていた安倍政権の時よりも剥き出しになっています」

   マイナンバーに紐づければ所得や貯蓄から健康状態まで把握できる。ベーシックインカムを導入すれば、個々に年金や保険料を計算する手間が省けるから、役人がいらなくなる。

   「要するに、新自由主義的な"資本の論理"からすれば、『国民国家』自体が邪魔でしかないのです。(中略)AIやロボットを駆使して『いかに人件費を削るか』が、新自由主義の成長モデルだからです」

   この論理に従えば「人権」など簡単に吹き飛び、待っているのは「デストピア」でしかない。この流れにブレーキをかける政党が必要なのだが、片山は「絶望しか感じられません」と結んでいる。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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