「自費PCR検査」急増中だが「何となく」で受けるのはやめよう! 陽性でも保健所など行政への橋渡しがされない

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   新型コロナウイルスの感染者が増え続ける中、「自費PCR検査」が注目されている。「濃厚接触者ではないが身近に感染者がいる」「仕事で相手から求められた」「何となく不安」などの理由から、自ら検査を受ける人が急増しているという。

   近江友里恵キャスター「低価格でPCR検査を受けられる場所が相次いでオープンしているんですが、様々な問題も起きているようです」

医療機関での検査は人件費や証明書の手数料などで高額になるが...

   そもそもPCR検査には、無料で受けられる行政検査と自費検査がある。行政検査の対象となるのは、熱やせき、けん怠感があるなど、医師が検査が必要だと判断した人。そして感染者の濃厚接触者と保健所が判断した人などだ。

   一方の自費検査は、症状が全くなくても誰でも受けられる。医療機関で実施している検査は、医師による診察と検査がセットで、陰性証明書を発行する機関もあり、費用は2万円~4万円と割高だ。

   最近オープンが相次いでいるのは民間企業による検査機関で、唾液などの検体を自分でとって郵送できたり、結果をメールやアプリで受け取れたりする。数千円から受けられる機関もある。

   博多大吉キャスター「値段の幅がだいぶ気になりますけど、何でこんなに差があるんですか」

   森田洋平アナウンサー「専門家によると、医療機関の場合は医師が必要になること、検査技師などの人件費がかかること、陰性証明書などの発行手数料が上乗せされることで割高になるということです」

   (中見出し)

自費検査は陽性でも保健所に届け出義務なし! 行政検査で調べ直す必要も

   自費PCR検査の一番の問題点が「保健所が陽性者を把握できない」ことだ。

   医療機関で検査を受けると、陽性だった場合、法律上保健所に届け出る義務がある。一方民間機関で検査を受けて陽性だった場合も、保健所に届け出の義務はなく、そもそも医師がいないので届け出ることができない。

   さらに医療機関の中でも、検査の数が膨大になりすぎ、「届け出漏れ」という問題が生じている。

   東海大学医学部の宮地勇人教授「陽性者の行政への橋渡しがされないことで、いざという時の入院など、適切な治療が受けられないリスクがあります。新型コロナは突然症状が悪化することが知られています。治療を受けられないまま亡くなってしまうこともあるわけです。適切に隔離されないと家族などに感染を広げてしまうリスクもあります。そして陽性者の数を正しく把握できないと、行政が効果的な対策を打てないという社会的なリスクもあります」

   自費で検査を受けて陽性だった場合は、まずかかりつけ医に電話で相談する。かかりつけ医がいない場合は、各都道府県の受診相談センターに電話する。行政検査を改めて受け、本当に感染しているか調べ直すことで、適切な処置につなげることができる。

   森田アナ「今緊急事態宣言も出されていますが、自費PCR検査とどう付き合っていけばいいでしょうか」

   宮地さん「現在陽性者が急増しています。その結果、保健所の業務がひっ迫しています。自費検査を提供している業者の中には、残念ながら検査の精度が低いところがあり、その実態がよく把握できていない状況です。実際は感染していないのに陽性と出る場合もあります。感染リスクが高い行動を取っていない方は、何となくなどの理由で受けるのは今は控えていただいた方がいいと思います」

ピコ花子

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