昨年7月(2020年)に始まったスーパーなどでのレジ袋有料化によりエコバッグ持参の習慣が定着しつつあるなか、京都・亀岡市では今月(2021年1月)からプラスチック製レジ袋も有料無料を問わず全面禁止にするという条例が施行された。スーパーなどでは代わりに紙袋を有料で提供することにしたのだが、これが「便乗商法ではないか」と物議を醸している。
亀岡市では今月1日から、市内全ての小売店約700店舗で、プラレジ袋の提供が禁止となった。桂川孝裕市長は「レジ袋やペットボトルなどのプラスチックごみが流れ着いて、市の観光地である保津川が大変汚れてきた状況があります」と条例制定の背景を説明する。紙袋も有料にする理由については「ごみを出さない地域社会というのが最善の目標。制度を変えなければごみは減りません」と訴える。
森永卓郎「全体戦略がない中で紙袋だけに目をつけるのはどうか...」
条例によって紙袋の無料提供も禁止されたため、マクドナルドでは有料の持ち手付き紙袋でテイクアウトに対応するようになった。セブンイレブンも1袋15円から紙袋を販売している。これについて買い物中の女性は「紙袋が20円するところもあるので不便です。エコバッグを忘れた時は、帰ろうかな、となります」と話していた。
紙袋有料化の流れは、大手百貨店の高島屋、西武百貨店、ユニクロなどすでに全国にも広がっているが、国民生活センターには「なぜ紙袋まで有料なのか」「便乗値上げではないか」などの相談が寄せられているという。
経済評論家の森永卓郎氏は「自分たちは環境に配慮していますよとアピールできるうえに、紙袋の代金も請求できるようになり、店にとっては一石二鳥。しかし、全体としてどうやって資源を大切にするのかという戦略がない中で紙袋だけに目をつけるのはバランスがおかしい」と指摘する。 パリ在住の2チャンネル創設者の西村博之「フランスでは、レジで袋がないと言うと、そこにエコバッグがあるから買って、と言われます。店が紙袋を有料化するのは単なるプロモーションのような気がします」
キャスターの立川志らく「(紙袋の有料化は)便乗って言ってしまうと、亀岡市長さんの心意気が気の毒に感じられてしまいます。まずはどうやって自然を守るかをみんなで考えないといけませんね」
司会の国山ハセン「レジ袋を禁止して紙袋を有料化する"亀岡モデル"が広がっていくのか、注目です」