「最強の名医」と言われるスゴ腕外科医・相良浩介(沢村一樹)が勤務する堂上総合病院は来年、創立100周年を迎える。ポンコツ院長・森山卓(高嶋政伸)は国会議員や都知事、人気芸人らを呼んで盛大な記念式典を催そうと、広告代理店との協議を進めていた。しかし、森山が事務長・桃井正一(小野武彦)を伴ってメインバンクの東京よつば銀行を訪れ、式典の費用1400万円を借りようとしたところ、融資課課長・花村玲子(石田ひかり)から「1400万円は出せません」とあっさりと断られてしまった。
実は2年前、森山は周囲の反対を押し切って温泉を掘ったが、温泉は出なかった。そのため多額の損失を出し、堂上総合病院は2期連続の赤字経営に陥っていたのだ。花村から「根本的な体質改善が必要なのでは」と問われ、森山は経営改革に取り組むことになった。しかし、いつものことながら森山は的外れな方向に進んでいく。
院長は一線を越え、銀行に病気のことを漏らしてしまう
その矢先、花村が階段から転落して右足の腓骨を骨折し、堂上総合病院に救急搬送されて入院する。「背中が痛い」という花村の訴えに違和感を覚えた相良が検査したところ、膵臓の膵頭部という箇所にがんが見つかった。
花村に恩を売って記念式典のための融資を承認させようと目論む森山だったが、花村はセカンドオピニオンを求めて転院してしまう。
そんな中、東京よつば銀行では、支店長・三田沢和久(吉田鋼太郎)が、急に休暇の延長を申し入れてきた花村の様子に疑問を抱いていた。そこで、花村の存在を疎ましく思う融資課係長・平賀洋二(橋本じゅん)が森山に接近し、「二人でタッグを組みましょう」と持ちかけて、花村の本当の病名を聞き出した。森山は患者の個人情報を他人に漏らし、医者として越えてはいけない一線を越えてしまったのだ。
花村はいくつかの病院で検査を受けたが、膵頭部がんとの診断は覆らなかった。おまけに三田沢からは「仕事のことは気にせず治療に専念するように」と命じられる。小学生の娘を抱えるシングルマザーの花村は、このままでは銀行内での立場が危うくなるため、「仕事を休むわけにはいかないんです」と焦っていた。相良はそんな花村に「がんになったからといって、その人が終わったわけではありません」と手を差し伸べる。
相良が堂上総合病院で花村の手術することを報告すると、森山はなぜか猛反対する。相良は、あれほど花村に恩を売ろうとしていた森山の突然の翻意の裏には、記念式典の融資に絡む何かがあると睨み、森山に「花村さんの命より、ご自分の晴れ舞台の方が大事なんですか?」「このままでは堂上の院長ではいられなくなりますよ」と詰め寄る。
そして、森山の命令に反して、相良の執刀による花村の手術が始まった...。(よる9時放送)
寒山