なぜ日本のワクチン接種は遅れているのか!? G7で接種がスタートしていないのは日本だけという惨状

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   世界各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっているなか、菅義偉首相によると日本は2月下旬からとワクチン接種が遅れている。

   英国では12月8日(2020年)から、仏伊独は12月26日から、アメリカとカナダは12月14日から、イスラエルでも接種はスタートしている。一方の日本は現在ワクチン開発会社のファイザー社が承認申請中にとどまっている。モデルナ社とアストラゼネカ社ではまだ承認申請も行われていない。

   キングスカレッジロンドン教授の渋谷健司氏は「英国は3週間で5000人にワクチン接種したが、市中感染を防ぐレベルになるには1~2年かかるとされています。また日本は子宮頸がんワクチンなど、ワクチンに対する信頼性が低いこともある」と話す。

   ファイザー社は、米国、ドイツ、トルコ、アルゼンチン、ブラジル、南アフリカの16歳以上の約4万4000人を治験し、去年11月18日に95%の有効性を確認した。米国ではこれを受け、11月20日に申請、12月11日には承認された。英国は、治験中からデータの供給を受けて時間短縮を図り、11月下旬に申請され12月2日には承認した。渋谷教授は「当局がしっかり対応したため」と言う。

   一方の日本は、去年7月にファイザー社とワクチン供給で基本合意。10月にファイザー社と日本での臨床試験を開始。12月18日にファイザー社が厚生労働省に承認申請し、1月中に日本人160人に対して行われた治験データをまとめる流れ。

   厚生労働省の担当者は「ワクチン輸入のための段取りや国内治験をどうやっていくかメーカーと打ち合わせしていく中でこの時期になった。治験、申請を世界のどの国で先にやるかは厚生労働省ではなくメーカーが判断したもの」と話す。

   国内の治験を行う理由について医薬品医療機器総合機構(PMDA)の担当者は「海外で行われた治験データが、日本人でも100%当てはまるわけではない」と説明する。

通常の手続きとった日本

   テレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「G7で接種がスタートしていないのは日本だけ。ほかの国は急いだのに、日本は急がなかったから。危機感がないのだと思う。日本だけ2か月遅れたことを反省してほしい」と主張。渋谷教授は「通常のプロセスを緊急時にも行っていたということ」と補足した。

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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