去年(2020年)4月の緊急事態宣言時には東京の人出は約60%減ったが、その理由は「緊急事態宣言」自体ではないそうだ。
東京大学経済学部・渡辺努教授らの研究では、外出しなくなった理由に「緊急事態宣言が出たから」と回答した人はたったの8.6%。「感染者数・死者数の公表を受けて自発的に外出しなくなった」が45.5%で、圧倒的に多かった。つまり、恐怖心が人々の行動を抑えていたのだ。
では、危機感が薄れていると言われる中の2度目の緊急事態宣言、効果は期待できるのだろうか?
実際、番組が聞いてみると...。20代男性は「今はこの状況に慣れてしまった。自分がかかるのはそこまで怖いと思わないが、親などがかかるのは心配」。30代女性は「行政の上の人たちが緩んでいる感じがあるから私たちも緩くなっちゃう」。40代男性は「もはや遅いのではないか。前回のように危機感を持って受け止められない。緊急事態宣言が政治の駆け引きに使われている」。
田﨑史郎「政治家は信頼されていない。メッセージは届かない」
渡辺教授は「(未知のウイルスに対する)恐怖心は春をピークに弱まっている。今や若い世代の大半は恐怖心を持っていない。協力してもらうには周囲にうつさないという利他心(他人が利益を得られるようにと振る舞おうとする心)に訴えるメッセージが必要だ」と話している。
田﨑史郎(政治ジャーナリスト)「10年ちょっと前に朝日新聞が『何を信頼するか』という世論調査をした結果、親や教師などが上の方で、政治家と官僚が最後の2つだったんです。信頼されてないから、こういう時になってメッセージを発信しても、聞かないんじゃないでしょうか」
司会の羽鳥慎一「でも、聞かないから言わなくていいってもんじゃないですよね。ちゃんとメッセージは出してほしいです」
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「信頼されていないのだったら、信頼されるような行動をとってほしいですね。会食をして、『あれは5人以下だった』とか言っているからますます信頼されなくなるんです。でも田﨑さんの言う通り、1番強いメッセージを発せられるのは近くにいる大人です。伝え続けていくしかない」