「症状がある人の3人に1人が陽性でした」 診療最前線の大谷医師「風邪かなと思ったら迷わず受診を」と必死の呼びかけ

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   正月休み返上で発熱患者の診療に当たった池袋大谷クリニックの大谷義夫院長が、年末年始の医療現場の状況を伝えた。

   大谷院長のクリニックで確認された新型コロナ陽性者は12月28日に4人、29日休診、30日に5人、31日に2人、1月1日(2021年)に6人、2日に8人、3日休診。開けている日は全て陽性者が出たことになる。患者73人中25人で、陽性率は34%だ。

   大谷院長は「(陽性率の高さには)私もビックリしました。症状のある方の3人に1人はコロナ陽性なんです。熱が高い方も多かったですが、喉がいたいだけという方もいました。『風邪かな』と思ったらどんどんコロナを疑ってまずは医療機関に電話し、検査を受けるべきだと思います」と話す。

問題は相談センターへの電話がつながらないこと。「たらい回し」の例も

   大谷院長がこの年末年始に感じた問題点は3つ。1つは症状があっても検査を受けられない人が多いということ。発熱相談センターに電話をしてもなかなかつながらず、やっとつながっても医療機関を紹介してもらえないケースもあるという。「検査をしないで新型コロナを診断するのは呼吸器専門医でも無理。相談センターの段階で検査を絞らないでほしい。まずは何とかして医療機関を紹介して」と大谷院長は訴える。

   2つ目は民間の検査から受診までにタイムラグがあること。糖尿病の既往歴がある40代男性は、民間のPCR検査センターで陽性の疑いと診断されたが、発熱相談センターで医療機関を紹介してもらえず、3日後に池袋大谷クリニックにたどり着いた。そこで陽性が確定した後に容態が急変し、救急搬送されたという。

   3つ目は入院病床のひっ迫だ。心筋梗塞などコロナ以外の重症者でも、大きな病院に受け入れの余裕がなく、たらい回しにされているというのだ。

   大谷院長「コロナは本当に急増しています。この数日間で私が診察した中でも、4人の方が緊急入院しました。この時点でギリギリ緊急事態宣言が出ることで、新年会などを自粛してくれる人が増えるのではないかと安堵しています」

   青木理(ジャーナリスト)「先日亡くなった羽田雄一郎議員も、医療機関でPCR検査を受けられなくて民間の検査を受けようとしている時に容体が急変してしまった。重症化リスクが高い方は速やかに医療機関にアクセスできるような態勢が必要です。都や行政がやるべきことはたくさんあります」

文   ピノコ| 似顔絵 池田マコト
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