新型コロナウイルス感染拡大を受け、首都圏1都3県の知事が政府に緊急事態宣言の発出を要請。菅首相はきょう4日(2021年1月)、年頭記者会見で宣言再発出を検討する方針を明らかにした。番組ではテレビ朝日政治部の足立直起部長がパネル解説。これまで政府は宣言に慎重姿勢を崩さず、背景の1つに国と都の間に溝があるという見方を示した。
首相周辺や政府関係者からは「小池氏はずるい。打てる対策を打つ前に、急に政府に『緊急事態宣言で網をかけてほしい』と言ってきた」「午後8時までの時短要請など、まだするべきことがあるじゃないか」などという声が上がっている。
足立政治部長は「政府と都の考え方には違いがあります。緊急事態宣言と自粛要請とどちらか先なんだという話です。都としては、きっかけとして緊急事態宣言を発出してもらい、それを受けて自粛要請をしたいと考えていました。今の午後10時までの時短要請も受けてくれない店が多いですから、先に法的根拠がつくことをしてほしいと。一方で政府は、緊急事態宣言は最後のカードなので、(自治体の方で)先にできることをやってほしいと考えている」と解説する。
緊急事態宣言で人々の行動は変わるのか?
今、再び緊急事態宣言が出されると、効果はどれくらいでるのだろう。
白鷗大学の岡田晴恵教授は「一定の効果はあると思います。ただ、最初の宣言は春夏の気温が高く市中感染率が低かったから(感染者数が)キレイにストンと落ちました。今は冬で市中感染率もかなり高いですから、効果が出るまで時間がかかる。ちょっと遅いのかな、と思います。原理原則を言えば無症状者を見つけて隔離をし、市中感染率を上げない状況で冬を迎え、ワクチンを待つというのが本当だったと思います」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「箱根駅伝では85%人出が減りました。日本人にはお願いすれば8割以上の人がそれに従うという国民性がある。強制力がなくてもまずは呼びかけないと。まだ特措法の改正が残っていますから、緊急事態宣言を出して2段階でやるべきです」
石原良純(気象予報士、タレント)「4月に最初に緊急事態宣言という言葉を聞いた時と、今では全然受け止め方が違う。西村(康稔)大臣は『危機感の共有』と言うが、危機感はばらばら。ネットでは『インフルエンザに毛の生えたようなもんだ』と今でも言い続けている人がいる。緊急事態宣言はどれだけ効くのでしょうか」
足立政治部長「緊急事態宣言には強制力はない。心理的な面で、効果がしっかりと出ればよいが、2回目ですし、(国民が)言うことを聞いてくれない場合もある。そうなると次に打つ手がないので、そこを政府は心配している」
文・ピノコ