新型コロナウイルスの感染者が昨年大みそかに東京都や神奈川県で過去最多を更新するなかで2日、首都圏4都県の知事がそろって西村康稔・経済担当相に緊急事態を宣言するよう要請した。西村氏は「宣言が視野に入る厳しい状況だ」としながらも、逆に、「飲食店などの営業を8時まで、酒類提供は7時まで」とする時短営業を知事らに要請した。
モニターで生出演した黒岩祐治・神奈川県知事は、「医療現場の声は悲鳴のようだ。患者が激増している。医療崩壊が始まっている、と言ってもいい。これまで様々なことをやってきたが限界だ。緊急事態宣言を要請するしかない、ということで1都3県が一体となって要請した」と強調した。が、キャスターたちからは「宣言」への疑問や、知事らの要請への批判が相次いだ。
キャスターの立川志らく「何を優先するかと言えば人命だ。でも、年末年始を見ていると、日本人はもはや要請だけでは言うことを聞いてくれないような状況になっている。前回の緊急事態宣言のような効果が出るのか、という疑問はありますよね」
「パフォーマンスでは?」(辛坊)「国に責任押し付け?」(橋下)
月曜コメンテーターの橋下徹・元大阪府知事「緊急事態宣言を出しても、法律上できることはあまりない。宣言が出たからと言って知事がやることは、何も変わりません。黒岩さんはじめ関東の知事たちは、アナウンス効果を期待するんですが、以前と同じように国民が言うことを聞くとは思えない。これは法律の欠陥ですよ。関東だけの緊急事態宣言を求めるなら、もっと明確に言った方がいい」
ゲストコメンテーターの辛坊治郎「政府がすぐに宣言しないのをわかっていて。知事たちのパフォーマンスではないのか」
黒岩知事「パフォーマンスなんてやってるような状況ではない。もっと現場は、医療現場は切実なんですよ」。「特別措置法はどうしても限界がある。お願いしかできない。(要請に従わない)店名の公表とかはできるが、極めて限定的です。しかし宣言は、確かにインパクトがあるカードであることは間違いない。本来はわれわれがずっと求めてきた特措法の改正が先であるべきだったんだが」。
橋下「政府に宣言を求める前に、時短要請のほかにもやることはあるのではないか。国に責任を押し付けているようにも見える」
文・栄