スクープが何もない各誌「新年合併号」にため息 遺産や遺言状の特集では酒が不味くなる! 「菅・二階政権」が今や「二階・菅政権」に逆転か? 東京地検特捜部が安倍前首相を事情聴取も不起訴の見通し、どうなる?国会での118回の嘘答弁

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「GoToトラベル」一時停止で菅・二階に不協和音

   お次は「菅"孤立の官邸"」(文春)と「『二階俊博』面妖なるドンの正体」(新潮)とタイトルはやや違うが内容は同工異曲。

   文春は、菅首相は人心が離れ、孤立を深めていると報じる。止めないと意地を張っていた「GoToトラベル」を一時停止したことで、"観光業界のドン"二階幹事長が「勝手なことをしやがって」と不満を漏らしたそうだ。

   パイプが太いことを自慢していた公明党も、赤羽一嘉国交相がGoTo停止を勝手に決めたと愚痴をこぼした。西村康稔経済再生相も、菅が嫌っている「尾身茂さんと国民の命を守っていく」と菅離れ。コロナの担当官庁である厚労相の田村憲久も不満を募らせているという。

   落ちる一方の支持率に悩む菅首相が、起死回生と頼むのがコロナワクチンだ。2月からワクチン接種が始まれば世論が変わり、五輪を開催して解散・総選挙を断行して勝利し、無投票で再選を果たすという戦略だといわれる。

   だが、免疫学の権威である宮坂昌之大阪大名誉教授は、副反応とマイナス70度の超低温で保存しなくてはいけないので、「そう簡単に二月接種が実現できるでしょうか」と疑問を投げかける。

   新潮によれば、発足当時は「菅・二階政権」といわれたが、今は「二階・菅政権」と立場が逆転したと報じる。批判された12月14日の、みのもんたまで出席していた「8人ステーキ会食」も、二階が呼びかけたもので、「そこに顔を出さない道を選ぶことは、菅にはできなかった」(新潮)。

   その二階も81歳。昨今は認知症ではないかとも思われる素振りも見え始めたというが、自派閥の勢力を伸ばし、早くも菅の次を考え始めているようだ。「ガースー」から「ガス欠」になるのもそう遠いことではないと思う。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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