分科会の尾身茂会長はきのう21日(2020年12月)に行われた会見で、新型コロナについて「半年の経験で多くを学び、どこが急所か分かってきた。日常生活の中では会食の感染リスクが高く、ヨーロッパでもレストランを再開すると感染拡大につながることが示されている」と語った。
飲食店での食事は、昼夜・場所に関わらず感染が生じやすく、食事の際の会話は飲酒の有無にかかわらず注意が必要だという。要は、飛まつが飛ぶ環境の中でマスクを外すことが危ないということだ。
呼吸器内科・アレルギー内科専門の大谷義夫医師は「マスクを外すのはやはり食事時です。私の患者さんの中に、会社と家の往復しかしていないという方がいました。どこで感染したかディスカッションした結果、昼休憩の外食だという結論に達しました」と話す。
東京以外の歓楽街、人出が減って感染者も減少傾向に
しかし東京の人出は減らず、昼間からにぎわっている飲食店も多い。
札幌市の歓楽街・すすきのや大阪府内の歓楽街では、飲食店の営業時間短縮要請が出た後から午後9時や午後10時の人出が減り、その少し後に新規感染者数も減少してきた。一方東京では、営業時間短縮要請が出された後も同じ時間帯の人出は減らず、感染者は増え続けている。
日本医師会、日本看護協会などの医療9団体は21日、「医療緊急事態」を宣言した。日本医師会の中川俊男会長は「日本が誇る医療制度は風前の灯」とし、「国全体としての緊急事態宣言はあらゆる産業に関わること。今回の宣言をどのように考えるかは政府の役割です。全員が団結して乗り越えるという意思を特に菅総理に表してもらいたい」と訴えた。
青木理(ジャーナリスト)「こんなにたくさんの医療関係団体がこういう形で集まって、医療界として緊急事態宣言を出すというのは初めてです。非常に大きな動きですが、それと菅政権の切迫感がシンクロしない。シンクロしていないことが東京で人出が減らず、感染も止まらない原因にもなっているのではないか」