厚労省が4日(2020年12月)から始めた「#広がれありがとうの輪」~「感染症と闘ってくれている医療関係者のみなさん、ありがとう」として、SNSを通じて感謝の声を伝えようとするプロジェクトに、疑問と批判の声が上がっている。
今月9日の衆院厚生労働委員会で山井和則議員(立憲民主党)は「ありがとうのキャンペーンもありがたいですよ。でもやっぱり、お金で示しましょうよ。お金を全然出さないで、頑張ってくれ。医療現場の方は、もたないと思います」。
SNSでも、「ありがとうの言葉より、人手とお金だろ」。「同情するなら金をくれ、という言葉がここまで似合うプロジェクトはない」。
「逃げだしたい」「雑用すべて負担」看護師の悲鳴は届いているのか
医療従事者は「ありがとうで、感染に強い国ができたら、ワクチン要りません」。コロナ担当の看護師は「現場のことを厚労省の人たちは何も知らないのかな、と思って、モチベーション下がっています」。
関東の病院でコロナ患者を担当する看護師は「私もコロナ患者さんの採血やPCR検査をして陽性になりました。逃げ出したいとか仕事辞めたいとか、毎日のように思っています」。「(専門業者が出入りできず)各病棟のごみ集め、床のモップ掃除、シーツ交換とか、看護師の負担になっている」
中国地方の30代看護師は、今年のボーナスが4割減った。「病院の経営が苦しいからと言われ、仕事は増えるばかり」。着替え、おしめ交換、身の回りの介助、食事介助、全部一人が担当する。
菅首相は昨日の会見で、コロナ対応の病院に派遣される医師に1時間15100円、看護師に1時間同5520円の補助と、看護師が本来業務に専念できるよう、清掃などの業務を民間委託する経費を支援する考えを示した。
コメンテーターの田村淳「お金や待遇を支援した後に、ありがとうという気持ちがセットで動いていれば、問題はなかったのに。お金かけないで、やってますよって見せるためだけに、やっているようだ」
キャスターの立川志らく「ありがとうっていったのに、ありがとうは要らねえって言われて。こんな間抜けな話はない」
「ありがとう」も届かないひっ迫した現場への支援をもっと考えたい。
文・栄