きのう14日(2020年12月)、菅義偉首相はGoToトラベルへのこれまでの方針を大きく転換、全国一律で一時停止を決めた。「年末年始は医療機関の体制も縮小せざるを得ない。国民の皆様には静かにお過ごしいただいて、感染を何としても食い止める。そういう思いの中で自ら判断した」と語った。
GoToトラベルは現在、大阪市着、札幌市着が一時停止、これらの地域発の旅行は自粛要請となっているが、22日からは名古屋市、東京でも同様の措置がとられる。さらに今回の決定で28日から年明け1月11日の間は全国一律にキャンペーンが停止され、一部でも旅行期間が入っていれば、全体が対象外となる。1月11日以降は、その時点の感染状況で判断するという。
菅首相はこれまで「GoToトラベルによる感染拡大のエビデンスがない」という認識だった。この点について記者から質問されると菅首相は「移動によって拡大しないという提言もある、そこについては変わらない」と明言した。
「支持率急落の世論に恐れをなしたのか」
街の声も「残念だが、全体から考えると当然、遅すぎた」「仕方ないのかな」といった声が多い。
一方、突然の方針転換に旅行代理店やホテルは「GoTo利用が8割9割。収入が減るだけでなく、キャンセルされたクーポン返送の事務作業も負担」「食材は年末年始の市場休みに備え、早めに仕入れを行っている。対応も難しくなってくる」と肩を落とす。
気になるのがキャンセル料だが、赤羽一嘉国交相は「確実なキャンセルを促すため、今月24日までは無料でキャンセル可能とする」としている。事業者に対する支援策は今日発表されるが、損失を旅行代金の35%よりさらに手厚い補償が行われるとみられている。
二木芳人(昭和大学教授)「当然の処置だと思う。止めるのが遅すぎたのではないか」
キャスターのカズレーザー「停止という判断に至ったのは意外だった。止めても止めなくても支持率が下がるなら、止めないと思っていた」
三浦瑠麗(国際政治学者)「毎日の世論調査で不支持が支持を上回り、シンプルに世論およびメディアに恐れをなして方針転換した。政策決定のプロセスが休校と同じですね。どういう人々の運命が変わる計算できていない。(ホテルに補償しても、食材の)仕入れ先にはおそらく補償はできないですよね」
カズレーザー「GoToトラベルのメリットは行った先での波及効果が大きいが、そこを勘案せずに消費者側のキャンセル料だけを補填するというのは詰めが甘い」