「みなさんこんにちは、ガースーです」。先週金曜日の11日(2020年12月)午後、菅首相はインターネットの動画配信サイト「ニコニコ生放送」に出演、番組冒頭に発したこの挨拶の様子や発言が14日朝のTV各局ワイドショーでも取り上げられ、ニコ生を見ていない人にも拡散している。コロナ感染者が過去最多を更新し、医療現場が抱える崩壊寸前の危機感が連日報じられているさ中の発言に、ワイドショー出演者から「なぜああいう発言を?」「嫌ですね」などと不快感をあらわにされている。SNSでは「ボケてる場合か」「無神経の極み」の声が殺到している。
ニコ生午後3時からの「菅義偉総理が国民の質問に答える生放送」でのこと。番組では、新型コロナ対策に「これ以上の感染拡大は何としても避けなければいけない」と発言。Gotoトラベルの一時停止については「まだ、そこは考えてません」といった後、「考えてないというか、きょう提言を受けたわけですから、2、3日の間に調整をして、次の対策を進めていく」と付け加えた。
ただ、「Gotoについては、かつて分科会で『移動については感染等は低い』と提言をしていただいているんです。経済が悪くなるとやはり暮らし、雇用を守ることができなくなりますので」とも。
田崎史郎氏も「何を笑っているんだとなりますね」
ニコ生での菅首相の様子を取り上げたテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」では、政権寄りと言われる政治ジャーナリストの田崎史郎氏「なぜああいう発言をされたのか。本人からすれば気楽な気持ちだったんでしょうけど、今の状況からすれば何を笑っているんだということになりますよね」と発言。
TBS「グッとラック!」では、司会の立川志らく「たいへんな状況にギャグ飛ばしてる場合じゃないぞ、という人もいるんだけど。個人的にすべったってだけのこと」と発言。メインコメンテーターの田村淳は「ぼくはもうガースーは嫌ですね。言わされていることが問題。だれが総理に、ガースーを吹き込んだのかな。目くじら立てるような問題じゃないというのもわかるが、今じゃない」
また月曜コメンテーターの橋下徹氏は、自身が弁護士時代にTV出演していた体験に触れながら「素人が(お笑いを)やっちゃいけない」と苦笑していた。
そもそも、記者会見も少なくTVへの露出が極端に少ない菅首相がなぜインターネット動画サイトに出演したのか。そこもTV各局には異様に映り、「若者へのアピールを狙ったが、完全にすべった」とみる。
ネットでは次のような批判が殺到した。
「生で観てました。この非常事態にあまり会見すらせずどこに雲隠れしてるのかと思ったら正式な?会見ではなくネットに出ると。考えが古いかもしれませんが。そして一言目にこれ...。まじでひきました」
「あれはいわゆるお笑いのボケなのか、空気が読めない場違いのボケた発言なのか。とにかくとんでもなくスベってますし、とにかく何をしてもタイミングが悪い人です。コロナの拡大期に入国緩和や、コロナが収束した時ならまだしも医療が逼迫している最中にスベった発言。一国の総理大臣としてもっとまじめに取り組んでほしい」
「春から命の危険を晒し、働き詰めで家族にもろくに会えず、ボーナスも減らされた医療従事者がこれを聞くと、どう感じるのか? 飲食店や観光業だけが国民ではない」
「菅総理の発案ではないでしょう。恐らくは取り巻きのアドバイスでしょう。呆れるわな。アベノマスク進言した取り巻きもいたけど、更に酷い。発信力・行動力・リーダーシップ・調整力、いずれも不足している上にパフォーマンスでもすべって。支持率がまだ40%あるのが不思議でならない」
(TVウォッチ編集部)