新型コロナ治療薬の大本命「モノクローナル抗体」とは? トランプ大統領も使用、副作用も少なく、政府は早期の緊急承認を

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   テレビ朝日コメンテーターの玉川徹による「そもそも総研」。今日のテーマは「新型コロナウイルスの治療薬はどこまで進んでいるか」。その本命ともいわれる「モノクローナル抗体薬」について取材した。

   モノクローナル抗体薬は、大統領選のさなかに感染したトランプ大統領が使用して話題になったが、一般の米国民への使用は2~3月になる見込み。イーライリリーなどの製薬会社が11月に緊急使用許可を申請して、緊急使用が許可されたもの。

   鳥取大学の浦野健教授は「モノクローナル抗体薬は、抗体を持っている感染者の血液から作られた、特定のウイルスが体内に侵入するのを防ぐ混じりっ気のない抗体を培養して作ったもの。軽症者に投与したら99.97%でウイルスが除去できたとされる」という。

   モノクローナル抗体薬を使用した場合は1.6%がER(救急救命室)に入院しただけだったが、偽薬を使用した例ではそれが6.3%だった。浦野教授は「明らかに減っている」と、その効果の有効性を指摘する。

   安全性についても、これまでのデータでは重篤なものはなく、せいぜい船酔い感のような症状が出た程度だという。

   イーライリリーによると、軽症・中症者に効果があるとしていることに関して、浦野教授は「この感染症はウイルスの量が増えると別の病気になる。つまり、ウイルス由来ではなく免疫が細胞を壊す過剰反応のようなことが起きて症状が悪化している。そこに抗体薬を使っても効きにくい。抗体薬を使うなら早期に投与することが大事」と話す。

米国では緊急使用許可、日本はまだ

   レムデシビルの場合、米国で緊急使用許可が出たのは5月1日で、日本も5月7日に厚生労働省が重症対策として承認した。モノクローナル抗体については米国ではFDA(米国食品医薬局)が緊急使用許可を出しているが、日本ではまだ。厚労省によると、日本では基本的に企業が使用許可を求めたものについて、政府が審査をする。レムデシビルで緊急許可が承認されたのは、レムデシビルが転用薬だからで、モノクローナル抗体のような新薬に対しては転用薬との温度差ができてしまう。

   斎藤ちはるアナは「催奇形性があるからとしてアビガンが使えない若者にも、これはいいと思う」とコメント。

   玉川は「アビガンは使えないというわけではなく、投与後は一定期間性行為を慎む必要があるということ。モノクローナル抗体薬は、投与すれば重症化を防げる」として、「レムデシビルのようにモノクローナル抗体薬も緊急承認を検討すべき」と結んだ。

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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