世界で初めて臨床試験を経て認可された新型コロナウイルスのワクチン接種がきのう8日(2020年12月)、イギリスで始まった。16歳以上の国民が対象で、優先順位を「介護施設の入所者・スタッフ」「80歳以上と医療従事者」「75歳以上」「70歳以上」など9つのグループに分けて設定しており、リスクの高い人に打ち終わるのは来年春までかかるという。
最初に接種したマーガレット・キーナンさん(90)は「よかった。打つべきか迷う人の力になればいい」と話し、周囲から拍手がわいた。「きょうから私たちの反撃が始まる」と書いた新聞もあった。ただ、世論調査では安全性に疑問を持つ人が20%、一部では反対デモも起きた。
日本でも早ければ来年2月か3月に承認か?
今回接種されたのは米国ファイザー社とドイツのビオンテック社が共同開発したワクチンで、1人2回打つ。日本でも早ければ来年2月か3月に承認される可能性がある。しかし、マイナス70度で保存する必要があり、「貯蔵も制限され、一度に運べる量も限られる。すでに仕事量がギリギリの医療従事者の手が回るかどうかは、場合によっては厳しい」(日本感染症学会専門医の寺嶋毅医師)という。医療従事者から接種を開始するというが、イギリスのような優先順位分けも必要かもしれない。
司会の加藤浩次「ウイルスとの向き合い方が変わってくると考えていいのか」
日本感染症学会専門医の佐藤昭裕医師は「国民の何%に接種を終えるかが大切で、マスク、手洗いなどの生活ががらりと変わることはありません」と話す。
宮崎哲弥(評論家)「副作用はどうかとか、走り始めないとわからないことも多い。今の段階では効果を期待するとしか言えない」