「GoToトラベルで新型コロナウイルス感染が広がっている可能性が高い」と分析した東京大の研究を、菅義偉内閣の閣僚たちが握りつぶそうとしているという。研究チームが約2万8000人を対象に調査したところ、1か月以内に嗅覚・味覚の異常を自覚した人は、GoToトラベルを利用した人2・6%、しなかった人1・7%で、統計的には約2倍になった。
ところが、加藤官房長官は「GoToトラベルで直接増加したと断定できない」、田村厚生労働相は「エビデンス(証拠)と言えるものなのか」、赤羽国土交通相は「査読前と聞いています」、西村・コロナ担当相は「科学的検討を受ける前ですから」と、なにがなんでも研究結果を認めたくないという姿勢なのだ。
Gotoキャンペーン、中止どころか来年6月まで延長決定
菅内閣は、医師会や政府の分科会などから「GoToキャンペーンを一時中止すべきだ」と警告されても耳を貸さず、きのう8日(2020年12月)にまとめた経済政策では、中止どころか来年6月までの延長を決めた。政府にとって、東大チームの研究結果はまことに都合が悪い。
司会の小倉智昭は怒る。「GoToが原因だとは断定できないと言っているわりには、追跡調査をしているという話は聞こえてきません。だれが考えても、移動者が増えれば、感染者が増えるに決まってますよ」
閣僚たちは「査読前の研究結果だから」というのだが、査読というのは別の研究者が検証することで、東京医科歯科大の寺嶋毅教授によると、「査読は順調にいっても2~3か月、半年以上かかることもあります」。その間に、GoToキャンペーンでウイルスは全国にばらまかれる。
小倉「不要不急の外出を避けてくださいと言いながら、GoTo行ってくださいって、ホント、矛盾してますよ」
そもそも、GoToで旅行に行こうという人は、健康で若い人が多い。GoTo先で感染しながら、自覚症状なしという感染者は、東大の研究よりもっと多いのではないか。