数日後、酔って道頓堀を歩いている天海一座の座長。天海天海(茂山宗彦)の後ろを千代がついて歩くと天海が切り出す。
天海「一平のことを親友やって言ってくれたそうやな。その礼や」
そう言って千代に祝儀袋を渡した。
天海「一平には、わしのせいで寂しい想いをさせておるからな」
一平にそんな思いを抱えていた天海。
ところがその晩、天海は突然倒れて亡くなってしまう。
その後、劇場では天海の盛大な葬儀が行われる。葬儀を取り仕切るのは、道頓堀界隈の興行を仕切る鶴亀株式会社の社長・大山鶴蔵(中村雁治郎)だった。
大山は、天海一座の面々に向かっていう。
大山「一平を2代目天海天海にふさわしい役者に育ててほしい」
天海一座のメンバーは、幼い一平には無理だと誰もが言うが、大山の声は絶対であった。
一方、千代は実家の隣近所のおじさん、小林辰夫(烏川耕一)と道頓堀でばったり遭遇。父・竹井テルヲ(トータス松本)たち家族の近況を聞く。テルヲが村人や金貸しからお金を借りて、夜逃げしたのだが知らないかというのだ。
呆然とする千代だったが、冷めた口調でいう。
千代「うちとあいつらは、もうなんも関係あれぃん。赤の他人やさけ」
「岡安」の女将・岡田シズ(篠原涼子)の言いつけで使いに出た千代は堀端で一平に会う。
千代「あんたのお父ちゃん、ホンマはあんたのこと気ぃもんでたで」
一平の目から涙がこぼれる。千代も泣けてきた。
千代は父親に気をもんでもらえる一平がうらやましかった。(NHK総合あさ8時放送)