「最後の手段」自衛隊看護師、旭川と大阪へ!災害や海外支援でも活躍、期待高まる

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   市内2つの病院で新型コロナクラスターが発生している北海道旭川市だが、西川将人市長はきのう7日(2020年12月)、北海道を通じ自衛隊に看護師派遣を要請すると発表した。「最後の手段というイメージ」と語る西川市長だが、現場の状況はどうなっているのだろうか。

   旭川の病院に支援に入っている北海道医療大学の塚本容子教授によると、クラスターが発生した吉田病院では、看護師の多くが感染。先月20日の段階で半数の看護職が仕事に来られない状況だったという。吉田病院は先月25日に自衛隊看護師派遣や、自衛隊による院内消毒を要請していたが、このときは感染者の転院などで危機的状況をひとまず乗り越え、派遣が見送られていた。

   今回の派遣要請決定に塚本教授は「早いに越したことはないが、どの段階でもお手伝いいただけるのはありがたい」と語る。

   大阪府でも130人の募集に対し、80人しか看護師が集まっていない大阪コロナ重症センターでの任務について、吉村洋文知事が自衛隊看護師の派遣要請をするとしている。

臨機応変に作戦を変える訓練で危機管理は万全

   全国約1000人の自衛隊看護師は、普段は自衛隊病院や各部隊の医務室に勤務し、災害派遣や海外支援活動でも活躍する。他に准看護師資格を持つ隊員や、普段は医師や看護師の本業に就き、有事の際に招集される予備自衛官もいる。災害発生時に24時間対応で即応するFAST-Forceという初動対処部隊も待機している。

   自衛隊看護師の強みは何か。元自衛隊看護官の大久保美帆さんは「決まりきったことをやるのではなく、起きていることに対して臨機応変に作戦を変えたりする訓練をしていて、あわてたりすることはない。一般の病院の方より危機管理はできていると思う」と語る。これまでも沖縄の病院支援や武漢からのチャーター機帰国者の対応、クルーズ船ダイヤモンドプリンセスなどでので、体温測定、PCR検査介助、血液検査介助などの対応を行っている。今年新型コロナで2700人の自衛隊員が災害派遣されているが、これまでに感染した隊員は一人もいない。

   キャスターの小倉智昭「自衛隊は細菌兵器に対する訓練もやっているので、心強いと思います」

   元陸上自衛隊衛生官の照井資規(もとき)氏「自衛隊は防衛の組織で、混乱した状況に整理をつけて、有効な治療を提供する戦術を持っています。ダイヤモンドプリンセスのときは頭から首まで覆う全面マスクで対応したことで、感染者は出なかった」

   伊藤隼也(医療ジャーナリスト)「自衛隊が来ていただけることはありがたいが、課題もある。重症者に対応する現場は専門性が高く、人工呼吸器やECMOの操作は難しい。地域連携などどうするか、計画を立ててこなかったツケが来ている」

   小倉智昭「現状では自衛隊の力を借りなければいけないところまで追い詰められた」

文   みっちゃん| 似顔絵 池田マコト
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