<科捜研の女/第8話「プリンセスの扉」>(テレビ朝日系12月10日木曜放送)
1億円の事業支援策で話題になった経営者が刺殺された。バクテリア研究の権威「プリンセス・トシコ」も支援に応募。現場にあった植物片からバクテリアを使った殺人トリックが浮かび上がる

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   京都府警科学捜査研究所の法医研究員・榊マリコ(沢口靖子)は、洛北医科大学法医学教室の教授で監察医・風丘早月(若村麻由美)に誘われ、風丘の恩師である北大路大学教授・新海登志子(高橋ひとみ)が講演するNPO法人「あさがお基金」主催のシンポジウム会場を訪れていた。

   新海は抗生物質のもとになる有機化合物を作り出すバクテリア研究の世界的権威で、彼女が発見した多くの化合物は新薬開発に生かされてきた。一方、シンデレラのようなロングドレスにティアラというファッションが大のお気に入りという乙女チックな面もあり、この日も『プリンセス・トシコ』スタイルで登壇した。

  • テレビ朝日「科捜研の女」番組公式サイトより
    テレビ朝日「科捜研の女」番組公式サイトより
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「目で見るだけが科学じゃない」謎の言葉は何を意味する?

   シンポジウムは和やかな雰囲気で始まったが、会場に爆破予告が舞い込み、ホールは騒然となる。まもなく客席の下から時限爆弾が発見され、使用されている爆薬は微量で、爆弾としては不完全なものだと分かった。しかし、その構造から、爆弾に関してかなりの知識を持つ人物が作ったことは間違いなさそうだ。

   翌日、神社の境内で大手学習塾経営者・宮本慎一郎(上杉祥三)の刺殺体が発見された。宮本は、夢の実現を願う10人の希望者に1000万円ずつ合計1億円を出資する事業支援策を打ち出し、ネット上で『1億円もってけ社長』と話題になってい。この1億円出資企画には、慢性的な予算不足に悩む新海の研究室も応募していたのだった。

   榊ら科捜研の調べで、遺体の近くに落ちていた植物片が現場には自生していない珍しい植物の葉で、新海が勤める北大路大学に植えられていることが分かった。さらに捜査を進めた榊は「証拠は彼女の犯行を強く示唆している」と結論づけたが、風丘は「新海先生は誰かの命を奪ったりはしない」と断言する。

   京都府警捜査一課刑事・土門薫(内藤剛志)の事情聴取に、当の新海も「実際に私が殺したという証拠はないわよね」と余裕を見せ、「目で見るだけが科学じゃないでしょ」と謎の言葉を漏らす。

   一方、宮本に嫌がらせの手紙を送りつけていたストーカーが派遣アルバイトの久保田(七瀬公)で、さらにセミナー会場に仕掛けられていた爆弾は久保田が作ったものだと判明する。

   バクテリア研究と刺殺事件と爆弾犯――関連性はなさそうに見えるが、新海が漏らした謎の言葉をヒントに、事件の裏にはバクテリアを使った殺人トリックがあるのではないかと推理した榊は、風丘らとともに北大路大学植物園の培養土置き場の土を採取して鑑定する。果たして榊の狙い通り、バクテリアが真実を教えてくれるのか......。(よる8時放送)

寒山

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