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新型コロナの「死亡率低下」と新潮

   一方の新潮は今週も、コロナは怖くない、医療崩壊は演出されていると報じている。この中で注目すべきは、厚労省が発表した「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向」によると、PCR検査で陽性のうち、6月24日の時点で60代の死亡率が5.1%、70代が14.9%だったのが、11月25日にはそれぞれ1.7%、5.7%に落ちているのだ。

   この理由としては、PCR検査や抗原検査が容易に受けられるようになったことと、治療法がだいぶわかってきたことが大きいというのである。

   分母が大きくなってきたから率が下がってきたのだろうが、治療法については、私のような後期高齢者が安心していられる状況ではまだないと思うのだが。

   菅首相は、会食でもマスクをつけながら静かに食べれば感染しないといい出したが、文春によると、11月27日、菅が法政大学の後輩で野球評論家の江本孟紀や、やはり後輩で元広島の小早川毅彦らと、ホテルオークラの「山里」で会食した際、「小部屋でお互いに距離も取っていたのでマスクはされていませんでした」(江本)というのだ。

   親しい相手だからマスクをしないというのは通らない。国民に実行しがたいことを押し付けておいて、自分はつけたりつけなかったりでは、説得力がなさすぎる。やはり人の上に立つ器ではないと思うしかない。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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