「おたく評論家」としてテレビ番組にもしばしば出演した、評論家の宅八郎(本名・矢野守啓=やの・もりひろ)さんが亡くなっていたことが4日(2020年12月)分かった。8月11日に小脳出血のため東京都府中市の病院で死去。57歳とまだ若かった。
「イカす!おたく天国」などの著書があり、「おたく」という言葉を体現したかのような風貌で知られた。「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」などのテレビ番組に出演した時期もあったが、しだいに「過激な」言動がテレビ番組の間尺に合わなくなり、活動の場を雑誌のコラムなどに移していた。しかし、最後は活字媒体からも敬遠されたようだ。
法政大学社会学部を卒業、背広にバルタン星人の着ぐるみを着て就活を行い、メディアの注目を集めた。テレビ用広告宣伝の制作会社に就職したが、退職し、フリーランスのライターとして活動を始めた。
芸名はアニメ「エイトマン」の主人公・東八郎から付けたという逸話もある。テレビから育ったような人だが、最後はテレビから拒絶されたような晩年だった。
「おたく」という言葉もすっかり死語になった。皆が「おたく」の時代になり、ネットやYouTubeで自己を表現する時代。宅さんは「テレビ時代の申し子」だったのかもしれない。
(TVウォッチ編集部)