新型コロナウイルス感染のPCR検査を拒否する人が急増しているという。東京・目黒の「大鳥神社前クリニック」北村直人院長は「10月下旬ぐらいから増えましたね。1日に1人から3人ほどいて、1か月で40人を超えました」と話す。
政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長も、「感染の可能性を自覚しながら、検査を受けない事例が増えています。その結果として、家族などへの2次感染も見られます」と報告している。東京都のアンケートでも「周囲に感染者が出ても検査を受けたくない」という回答が11・8%もいる。
なぜ検査を受けたがらないのか。北村院長は「発熱で来た患者さんんが、『PCR検査を受けていいか、会社に聞かきゃならない』っていうんです。そして、電話を10~15分して、『きょうは受けません』と。また、検査を受けて陽性だと2週間隔離になるので、会社が回らなくなるという人や、会食に行けなくなるので受けないという人もいました」と話す。
埼玉県の「ふじみの救急病院」の鹿野晃院長は、「家族内で症状があって、お父さんとお母さんはPCR検査を受けたんですが、陽性になると学校でいじめや差別に会うので、子どもはいいですということがありました」
検査受けない隠れ患者は多い
「とくダネ!」が取材した病院だけでも、検査拒否は50件以上あった。こうした実態から、濃厚接触を指摘されながら、検査を受けない隠れ患者は相当数いると見られる。昭和大医学部の二木芳人・客員教授は「保健所や医師から指示された検査は行政検査ですから、100%受けていただかないと困ります」と警告する。
山田秀雄(弁護士)「知り合いの中小企業の経営者の中には、『陽性だったクビだぞ』なんてことを平気で言う人がいると聞きます」
古市憲寿(社会学者)「感染を打ち明けられない社会が問題。(都民ファーストの会が進めている)PCR検査を拒否したら5万円の過料(罰金)という条例はやりすぎですよ」
しかし、無症状の隠れ感染者が流行第3波に歯止めがかからない最大の原因だ。