竹井千代(毎田暖乃)は弟・ヨシヲ(荒田陽向)と山で迷子になって以来、継母・栗子(宮澤エマ)への不信感をますます募らせていった。
栗子は2人の子どもを奉公に出そうと父・テルヲ(トータス松本)に提案しているようだ。千代は「こっちが先に栗子を押し出してやる」と密かに作戦を練っていた。
そんなある日、迷子になったときに助けてくれた老人が、腹痛に効く薬草を持って家にやってくる。実は栗子は妊娠していた。ヨシヲはお腹をさする栗子を見て腹痛と思い込み、薬草を採りに山に入って迷ったようだ。
実母を覚えていないヨシヲにとって、自分たちを邪魔もの扱いする栗子でも母親。大切に思っていたのだ。
「うちは捨てられたんやない」とテルヲに言い残し千代は旅立つ
身重な栗子を追い出すわけにはいかない。作戦は白紙に戻った。 千代「もうええ!ようわかった!こねな家こっちから出てったるわ!」
千代は自分が奉公に出る代わりに、ヨシヲを家に置いてくれとテルヲと栗子に頼み込む。
千代が奉公に出る日が来た。涙をこらえ、迎えにきた口入れ屋の先をズンズン歩いていく千代を、テルヲがおいかけてきた。呼び戻しに来たのかと、千代は一瞬喜ぶが、違った。
テルヲは、仏壇にあった母の写真を差し出すと「こんなもんがあると栗子が嫌がるから持っていけ」と言う。
千代「1つだけ言うといたる。うちは捨てられたんやない。うちがあんたらを捨てたんや」
こうして千代は、見知らぬ地、大阪・道頓堀へと旅立っていった。
(NHK総合あさ8時放送)