東京の小池百合子都知事が「不要不急の外出を控えてほしい」と呼びかけてから初めての週末(2020年11月27~29日)、街には人があふれた。一方、おととい28日の新型コロナの全国の新規感染者は2683人で過去最多となり、感染が広がる大阪ではステージ4の判断基準に迫りつつある。
大阪府病院協会の佐々木洋会長は「第2波の時は夜の街を中心に、若い人の感染が圧倒的に多かったが、第3波は偏りがなく、前世代に渡って感染が広がっているのが特徴です。高齢者は重症化しやすく、軽症でも入院が基本なので、どんどん病床が埋まっていって、ひっ迫した状態になりつつあります。(コロナ以外の)入院が必要な患者さんが入院できなくなれば、より大きなリスクを伴う危険な状態になります」と訴える。
「国が上からドン!と急ブレーキを踏むしかない」
日本医科大学の北村義浩特任教授(感染症学専門)は「大阪は47都道府県の中で最も危機に瀕している。車に乗っているとして、先には医療崩壊という崖がある。ブレーキは踏んでいても車の勢いもかなりのものです。崖の前で止まるのか、崖の底に落ちて止まるのかという深刻な状況です」と指摘する。
新規感染者の入院先を調整している大阪府入院フォローアップセンターには今、電話が殺到している。浅田留美子センター長は「朝9時の開始同時にバーッと鳴り出し、夜10時を過ぎても電話がかかってくる。先々週とは別世界です」と話し、病床数については「もちろん努力はしますが、感染者の波がどこかで頭打ちにならないと病床が足りるかは不明です。予断は許されない状況です」と訴える。
北村教授は「車の例えで言うならば、本来ならば積んである荷物を少し降ろすべき。つまり、ほかの県に感染者を引き受けてもらうか、病床を増やして崖までの距離を延ばすか。あと1つ。もう個人レベルでできることはほぼないので、国の施策で上からドン!と急ブレーキを踏むしかない」と言う。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「僕は毎日グーグルの予測を見ていますが、それによると大阪は12月19日には1日の感染者が1000人出ることになっている。もしこれが本当になったらどうなるのでしょう」
佐々木会長「医療崩壊に近い状態になるでしょう。なんとか1000人にならないように医療界を挙げてやらなければならなりません」