大正5年。竹井千代(毎田暖乃)は大阪の南河内で貧しい農家の家に生まれた。幼い頃に母を亡くし、飲んだくれの父・竹井テルヲ(トータス松本)と弟・竹井ヨシヲ(荒田陽向)と三人で暮らしていた。
養鶏で生計を立てている父・テルヲは、鶏の世話や家事も千代にまかせっきりで、駄目な父親だった。弟のヨシヲは、いつもおなかをすかせていた。亡くなった母親のことは幼かったために覚えていない。千代は口が達者な元気な女の子だったが、父の留守中は、母親代わりになって小さい弟の面倒を見ながら、生活のために鶏の世話をしなければならなかった。
裕福な家庭の多い地域で、近所の子どもにも陰口をたたかれ
千代の暮らす地域は、裕福の家庭が多く、子どもたちは食べ物に困ることなく遊びまわっていた。この頃には義務教育が始まり、本来なら子供は12歳まで学校に通わなければいけなかった。授業料が無償化になり98%の子どもが学校に通っていたが、千代は小学校にも通えないでいた。
千代「学校に通いたい」
隣近所の子どもに陰口を叩かれる日々のなか、千代は学校に通う夢をもっていた。
千代が8歳になったある日、父・テルヲが新しい妻・竹井栗子(宮澤エマ)を連れて帰ってきた。これで小学校に通えると喜ぶ千代だったが...。
(NHK総合あさ8時放送)