「Gotoトラベル」一時停止の判断基準はどうなってる?「ステージ3=感染急増」の指標もあいまい? 首相と知事が判断押し付け合いだ

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   菅首相はきのう23日(2020年11月)、「GoToトラベル」について、「感染が相当拡大している地域に向けて、新規予約については、一時停止する措置を導入する」と発表した。ただし、その「地域」も「時期」も未定。各都道府県の方が感染状況などをわかっている、との理由で「知事の意向を尊重する」としている。東京都の小池知事は「詳細がまだよく分かっていません」として、今日24日午後に会談する方向だ。

   一時停止にするかは、感染状況が「ステージ3」相当になっているかどうかだ。ステージ1は「感染者が散発的に発生する」、2は「感染漸増」、3が「感染急増」、4が「感染爆発」。ただ、その判断主体はどこなのか、首相と知事が押し付け合う格好になっている。

分科会「柔軟対応の余地残したが、口実に使われている...」

   「ステージ3相当」の判断の基準について政府の分科会は、①病床使用率②療養者数(10万人あたり)③PCR陽性率④新規陽性者(10万人あたり)⑤直近1週間と前週比⑥経路不明者の割合、の6つの指標を示している。しかし、これはあくまで「目安」であり、いくつあてはまれば「ステージ3」となるのか明記されていない。国や都道府県が「総合的に判断する」ように求めている。

   例えば、北海道は⑥を除く5つの指標があてはまり、鈴木知事は「札幌に限定、キャンセル料を国が負担する」条件をつけて一時停止を行う考えを表明した。③以外の5つがあてはまる大阪府の吉村知事は、「大阪市内を目的とする旅行について、早ければ27日から対象外とするよう国に求める。また同日から営業時間を夜9時までとするよう時短営業要請をする」とした。

   分科会メンバーの小林慶一郎(東京財団政策研究所研究主幹)は「感染が急拡大したら、これを止めなくてはいけないので、『Goto』は除外しようと、政府と分科会は合意していた」という。ただ「ステージ3」の判断基準があいまいな点について、小林氏は、「本当は柔軟に判断するという意味で、総合的な判断をする余地を残したのだが、適切なタイミングで判断をしないことの口実に使われかねないようなことになっている」。

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文・栄

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