新型コロナウイルス感染者の全国の重症者数が、おととい22日(2020年11月)時点で331人と、第2波の328人(4月30日)を上回って過去最多となった。
スッキリは医療ひっ迫に陥っている北海道旭川市の現状を取り上げた。
まず今月6日に吉田病院でクラスターが発生、きのう23日までに104人が感染。約4㌔離れた旭川厚生病院でも21日に46人のクラスターが発生し、2病院とも今月末まで外来診療を休止した。
旭川市の感染者数は、10月末まで48人だったが、今月だけですでに204人。 同市でコロナ専門病床を備える病院は5つあるが、このクラスターにより約100の専門病床は稼働率が約67%に跳ね上がり、医療提供体制は逼迫した。「7割が限界」と同保健所は言う。
「まさか自分の病院で急に起こるとは...」病院も予測できず...
旭川赤十字病院はコロナ専門病床24床のうち19床が埋まっていて、うち重症患者が3人。牧野憲一院長は、「11月の最初の週までは、医療逼迫状況はテレビでは見てきたが、まさか自分のところで急に起こるとは思わなかった」という。「スタッフが限界で、コロナ以外の患者に対して医療を提供できない状況になってくる」。地域医療が崩壊する可能性も出てきた。
日本感染症学会の水野泰孝・指導医は「これから寒くなってくると、心臓病や脳血管疾患の方は発症する可能性が高くなるが、緊急を要する患者さんが治療を受けられなくなる可能性が増えてくる」という。
司会の加藤浩次「旭川市だけの問題じゃない。そういった都市は全国にたくさんある。他の地域でもありうる(事態だ)」。
ロバート・キャンベル(東京大学名誉教授)「病床だけの問題じゃなく、スタッフの不足や、スタッフを指導できる感染症の専門医がどれくらいいるか、も問題」
水野(日本感染症学会)「感染症専門医の人材不足は日本全国の問題だ。専門医を増やして行くのは、これからの課題だ」
文・栄