新型コロナ「第3波」の特徴は、クラスターが飲食店だけでなく、家庭、職場、学校、外国人コミュニティーなど様々な場で起きていることだ。どう防いだらよいのか。医療現場の戦いを追う。

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外出先の密集度をスマホに提示する滋賀県の試み

   11月、全国で新規感染者数が2000人を大きく越えたが、第3波のピークはまだ見えず、政府の強い介入によるブレーキはなさそうだ。国立国際医療研究センターの忽那賢志医師は「重症患者が毎日搬送されてくる。スタッフの疲労が大きい。病院機能を確保できないのではないかが一番の懸念。このペースで患者増が続くと、医療崩壊も起こりえる」という。

   滋賀県で11月、新たな対策が打ち出された。大手通信会社のビッグデータを活用して、携帯電話の利用状況から500メートル四方にいる人の数を推定し、密集度をスマホなどに表示する。誰もがリアルタイムで知って、密集を避ける仕掛けだ。昼ごはんにそばを食べようと思った県内男性は、これで調べてすいている中華料理に切り換え、無事に昼食をすませた。「これからは個人個人が外出先の状況を日常的に確認できることがリスクを防ぎます」と県情報政策課はPRする。

   忽那医師は「ここでいま一度、基本の感染対策をしっかりやろう」と提唱する。「市中感染はどこでも起きるイメージですが、実は会食とかのリスク行為をしていたことがよくあります。年末に向けて、一人ひとりが注意することが命を救う」というのだ。個々人は医療最前線の厳しい実情を理解しながら、できることを根気よくするしかない。

NHKクローズアップ現代+(2020年11月日放送「第3波最前線からの訴え」)

文   あっちゃん
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