新型コロナ「第3波」の特徴は、クラスターが飲食店だけでなく、家庭、職場、学校、外国人コミュニティーなど様々な場で起きていることだ。どう防いだらよいのか。医療現場の戦いを追う。

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   新型コロナの感染拡大に、強い危機感が広がっている。神奈川県川崎市の聖マリアンナ医科大学病院では、先月(2020年10月)までは週2、3人だった感染患者の受け入れが、11月に入っての1週間は6人に急増した。70代と80代が3分の2を占め、重症度も若い人より数段高い。コロナ病棟の集中治療室17床中12床がすでにうまった。重症から中等症まで回復しても、患者の転院を断られるケースが増えたことも大きいという。

   コロナの感染拡大で他の病気の患者や外来患者が減り、多くの病院が赤字だ。このうえ万が一院内感染となれば、経営が立ちいかない。「コロナを診ると他の患者が減る。できれば避けたいとみんな思っている」(同大学病院救命救急センター長の藤谷茂樹医師)状態で、負担が特定の病院にのしかかる。医療崩壊の危機が現実味を帯び始めている。

  • 「NHKクローズアップ現代+」の公式サイトより
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ススキノから職場、学校、高齢者施設にと一気に広がった札幌

   この1週間、1日あたりの新規感染者数は14都道府県で過去最多を更新した。現状を静岡県の川勝平太知事は「まさに最大の危機的局面にある」と語り、横浜市の担当者は「どこに感染者がいてもおかしくない状態」と評した。

   北海道では、9月に5件、10月に25件のクラスター(集団感染)が発生、多くが札幌市の繁華街ススキノだったが、11月は2週間で50件も起き、それも職場や学校、高齢者施設と一気に多様化した。緊急対策で札幌に派遣されてきた山岸拓也医師は「小さいクラスターがいっぱい出て、もぐら叩きみたいで、今の保健所では追いきれない」という。これと同様の事態は全国で起こりえる。札幌で客と従業員3人の感染があったバーの店長は「マスクをできるだけつけて会話をとはいっても、話を途中でさえぎれるわけがない」と実情を語る。

   冬ならではの寒さの問題もある。会話のたびに舞い上がる飛沫が、換気しないでエアコンをつけていると室内風で拡散してしまう。「暖かくて居心地よい所にみんながいると感染するということです」と山岸医師は指摘する。冬の空気乾燥も大敵だ。湿度10%の乾燥した室内でシミュレーションしたところ、大粒の飛沫は早く下に落ちたが、小さな粒は遠くまで飛んで、長く空気中にとどまった。湿度が30%から60%に上がるだけで飛び散る飛沫は半分に減る。しかし、札幌で気温6度でも窓を開け、加湿器も購入したバーでは暖房費が例年の3倍近くかかってしまった。

文   あっちゃん
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