眞子さんは穏やかそうに見えて、秋篠宮家の中でも最も性格が強いという。声明の「生きていくために必要」というのは、換言すれば"結婚できなければ世を去ります"とも受け取れ、周囲は眞子さんの覚悟の凄さにひれ伏した。眞子さんに密かにエールを送っていたのが当時、皇太子だった天皇だというのだ。

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   秋篠宮眞子さんが11月13日に発表した「お気持ち」をめぐって、文春と新潮の見方が分かれている。新潮は「『眞子さま』結婚宣言で『小室圭さん』圧勝」だと、さしもの結婚反対派も完敗を認めているのに、文春は「秋篠宮が覚悟 眞子さまを"勘当"する」と、まだうじうじと小姑のように難癖をつけている。

   先週私が書いたように、眞子さんの「お気持ち」は小室圭と合作した「結婚宣言」である。しかも、これを出すにあたって、父親の秋篠宮と母親の紀子さんだけではなく、天皇皇后、上皇上皇后にも了解を得ていると書いてあるのだ。文春のように、秋篠宮がこの内容に怒って「勘当する」はずはない。

   冒頭文春は、秋篠宮家にきわめて近い人物の談として、眞子さんと結婚すれば小室圭は「元皇族の夫」として皇室行事に関わることになるが、秋篠宮は「それにはふさわしくない方」だと考えていて、「もし眞子さんがこのまま結婚を諦めないとおっしゃり続けるのなら、縁を切る、つまり"勘当"することも覚悟しておられるのです」といわせているが、全文を読む限り、そのような根拠は何もない。

   かえって、2人の交際に密かにエールを送っていたのは、当時皇太子だった現天皇だというのだ。3日後に渡米する予定の小室圭が秋篠宮邸を訪れた際、報道陣を避けるために「東宮御所正門」を通ったが、それを許可したのが皇太子だったというのである。

   また、「眞子さまは、穏やかそうに見えて、実は秋篠宮家の中でも最も意志が強固で、性格がお強い」(秋篠宮家の内情をよく知る立場にある男性)。周囲の温かい見守りと、彼女の意志の強さがあって、ようやくここまでこぎつけたのである。

  • 眞子さんの「結婚への決意」を伝えるフジテレビのニュース
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文春が書くように秋篠宮が眞子さんを「勘当する」はずはない。秋篠宮が11月30日、誕生日会見で何を話すのか楽しみである。

   新潮で、「お気持ち」の「随所にあった強い言い回しには驚かされました」と宮内庁担当記者がいっているように、「『生きていくために必要』というのは、換言すれば"結婚できなければ世を去ります"とも受け取れ、ご家族をはじめ周囲はそれ以上、説得のしようがありありません」(同)。眞子さんの"覚悟"の凄さに皆がひれ伏したということだ。

   最後に持ち出してくるのは、「そうはいっても小室圭の母親の金銭トラブルは解決していないではないか」というものだが、当の元婚約者でさえ、この問題が「ご結婚の障害になっているのであれば心苦しい」というコメントを出しているのだ。

   私にいわせれば、元々お互いに了解済みだった古証文を、この人間が週刊誌に売り込んだところから始まったのだ。障害を自ら作り出しておいて、今更、心苦しいもないものだと思うのだが。様々な障害を乗り越え結婚しようと決めた2人に、秋篠宮が11月30日、誕生日会見で何を話すのか、楽しみである。

秋篠宮
秋篠宮

東京の感染者が500人を突破した。間が悪いことにバッハ会長が五輪をやるとぶち上げたが、莫大なTV放映権料が狙いなのだ。

   さて、11月19日、新たに国内の感染者が2363人確認され、最多を更新した。東京もついに500人を突破、534人と過去最多になり、小池百合子都知事は、警戒レベルを最高段階に上げた。この増加は、日本医師会の中川俊男会長にいわれるまでもなく、GoToトラベルがきっかけになっていることは間違いない。

   新潮が度々主張しているように、感染者が増えても死亡者が増えなければ恐れることはないというのは、私も理解はするが、やはり、ここまで感染者が増えてくれば、GoToトラベルは一時中断すべきだと思う。だが菅首相は頑なに「継続する」といい続けているのはなぜなのか。もう一つ菅が「やる」と宣言し続けているのが、東京五輪である。

   間の悪いときに、IOCのバッカではないバッハ会長が来日した。菅や小池、森喜朗と会い、何の根拠もないのに五輪はやるとぶち上げた。バッハの意図は見え見えである。五輪をやらなければ、莫大なテレビの放映権料が入らなくなるから、延期はいいが中止は絶対しない。

   日本側にも、膨大に膨らみ続ける五輪関連予算と、12月で契約の切れるスポンサーたちの中で再契約しないというところが増えているという難題がある。 止めるに止められない事情がどちらにもあるのだ。さらに菅には、五輪を終えてすぐに解散総選挙に打って出ようという思惑があるらしい。

   そうすれば大勝はともかく、目減りを少なくして、もう1期やれるかもしれないという打算からである。この連中の腹に、東日本大震災復興やコロナ克服などない。目先のカネや権力維持しかない究極のジコチューたちばかりである。

   バッハや菅が頼みにしているのがコロナワクチンなのは間違いない。ファイザー社が「90%を超える予防効果がある」と発表すれば、モデルナも「うちは94.5%の有効性が確認された」といい出した。だが新潮によれば、この90%の予防効果というのは、ワクチンを射った人の9割が、もう感染しないということではないという。

   また、今回のような遺伝子を使ったワクチンというのは、まだ人に使われたことはないから、安全性や有効性は未知数だそうだ。よって加藤勝信官房長官は厚労相時代から、「俺はワクチンを打たねーよ」といい続けているというのである。

   安全性も有効性も未知数だというのでは、政府にいくらタダでいいですよといわれても、打つ気にはならない。韓国ではインフルエンザのワクチンを接種後に死亡する例が1週間で12件も発生したと報じられている。

   日本でも2009年から10年にかけて、新型インフルエンザのワクチンを接種して133人が亡くなっているという。ましてや全く未知のワクチンでは、どんな副作用が起きるかわからない。コロナのワクチンができるのは5年後といわれるが、そのへんが妥当なところではないのか。

東京の感染者534人を伝える日本テレビのニュース
東京の感染者534人を伝える日本テレビのニュース

学術会議問題の裏にいる杉田和博官房副長官とは何者か。第2次安倍政権から「警察国家」が加速したが、その中心にいたのが杉田だ。

   菅ジコチュー政権を支える人間たちも、当然ながら同じ類友である。日本学術会議の会員候補の任命拒否問題で、衆院予算委員会で何も説明できずに立ち往生した菅が、苦し紛れに、「6人を外すことを知ったのは、決済する前、杉田和博官房副長官からだ」と漏らしてしまったのだ。

   ノンフィクション作家の森功が、サンデー毎日で、それをいっちゃお終いだよと、警察庁の関係者がいっていると書いている。「たしかに安保法制や特定秘密保護法などに反対してきた学者を調べ、問題視したのは杉田さんでしょうが、最終判断は官僚ではできないわけですから」。さらに裏を読めば、最終決断したのは和泉洋人首相補佐官のアドバイスによるものだが、菅はそれを隠したいがために、あえて杉田の名前を出したのではないかともいわれているそうだ。

   それはともかく、杉田という人物はどういう経歴なのか。年は79歳にもなる。東大法学部を出て警察庁入りした。警備・公安畑を歩み、在フランス日本国大使館の1等書記官を務めた後、もっぱら外事関係の任務をこなしてきた。1982年、中曽根康弘内閣の時、後藤田正晴官房長官の秘書官となって、官邸と関わることになる。浮き沈みはあったが、1997年に内閣情報調査室(内調)の室長につく。

   いったん退官してJR東海などの顧問を務めた後、第2次安倍政権で官房副長官として政権中枢にカムバックする。8年前だから、杉田が71の頃か。

   そうして2017年に内閣人事局長となり「名実ともに霞が関の役人の生殺与奪権を握っていったわけです」(ある高級官僚)

   私は、70を超えた人間を重用した背景には、杉田の外事、内調出身という「経歴」があったからだと思う。諜報活動に精通しているということは、安倍や菅にとっては「使える男」だったのだろう。日本学術会議の学者たちの思想や行動を掴むのは、杉田にとってはいと容易(たやす)いことであったはずだ。

   第2次安倍政権から「警察国家」作りが加速したが、その中心にいたのが杉田ではないのか。

   同じ毎日に、生長の家という宗教団体の谷口雅宣総裁が、菅政権批判をしている。ここは公称だが国内41万人、海外131万人の信者を持っているそうだ。私はこれまで、この宗教団体は自民党や日本会議に近い考え方を持つところだと思っていたが、そうではないようだ。

   生長の家として2016年の参議院選の際、「与党とその候補者を支持しない」という声明を出した。

   「主な理由は、安倍さんが集団的自衛権を巡る法解釈の勝手な塗り替えを行ったからです」(谷口総裁)

   そのため、「安倍政治を継承する」と明確にいっている菅も「日本の将来にとって非常に好ましくないこと」(同)だからと、10月25日付の朝日新聞に、日本学術会議の会員候補の任命拒否に反対する意見広告を出したというのである。 菅の問答無用の強権的なやり方への批判の声は、大きく広がっているようだ。

杉田和博官房副長官(左)と和泉洋人首相補佐官(右)(首相官邸ホームページより)
杉田和博官房副長官(左)と和泉洋人首相補佐官(右)(首相官邸ホームページより)

トランプも負けを認めざるを得なくなった。ポストで連載を始めた横田増生のトランプ陣営"体当たり取材"に期待したい。

   ところで、ようやくトランプもバイデンの勝利を認めざるを得なくなってきたようだ。11月3日から続いた「アメリカが一番長い日」といわれる大統領選の投開票だが、その1年前からアメリカに移り住んで、「トランプ陣営のボランティア」をしながら、大統領選を見続けたのが、ジャーナリストの横田増生である。

   彼は、Amazonやユニクロに入社して、その内情をルポすることで勇名を馳せた。今度はどんなものをわれわれに見せてくれるのか。ポストで連載を始めた。 増田は、大統領選の行方を左右することになるであろう、ミシガン州のランシングという町に部屋を借りた。トランプもバイデンも、ここを必死で取りに来るから、ここで定点観測しよう考えたそうである。

   彼は「トランプ陣営」の戸別訪問のボランティアをしようと思ったが、雪深い町だから、実際に始めたのは3月から。いきなり熱烈なトランプ支持者に出会い、トランプ支持を明確にする赤い帽子をプレゼントされた。その59歳の男は、熱烈なクリスチャンで、中絶に反対するからトランプ支持だそうだ。

   40代の男性は、郵便投票は不正の温床になると反対し、「トランプは俺たちみたいな労働者のために多くの約束事を果たしてくれた」と話す。出会ったトランプ支持の人間はほとんど白人のようだ。

   朝日新聞DIGITAL(11月15日 7時00分)も、白人のうちの55%の支持をトランプが集め、バイデンは43%だったという。トランプ人気は根強い。白人、それも労働者たちに支持されていることが、大接戦になった要因だろう。こうした生の声は、日本にいては分からない。"体当たり取材"を得意とする増田の連載のこれからに期待したい。(文中一部敬称略)

トランプ米大統領
トランプ米大統領

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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