高級車を売り物にしていたカーシェアリング会社が破産手続きを行うことになり、車を提供していたオーナーたちに対する説明会がおととい14日(2020年11月)、行われた。しかし、カーシェア会社の代表は顔を出さず、代理人弁護士によるらちがあかない説明に、車の返却を求めるオーナーたちが怒りをあらわにする場面もあった。
カーシェアリングとは、特定の車を複数人で共同利用すること。車のオーナーは車両をカーシェア会社に提供し、カーシェア会社がユーザーに貸し出す。自分の車の毎月の売り上げの5%が、カーシェア会社からオーナーに支払われるという仕組みだ。
あるオーナーの男性は2年前、カーシェア会社と契約し、総額1300万円で高級車3台を購入して提供していた。ただし、毎月の車のローンや保険料、駐車場代などの費用はカーシェア会社が負担してくれるため、オーナーとは言っても手出しはゼロ、という「おいしい話」。
売り上げとして、毎月5000円~1万円が手元にはいっていたという。「おこづかいが稼げればと思って始めた」と言うが、今年8月ごろ、「コロナの影響で今月支払いが遅れます」という連絡があり、その後、「業績の長期低迷を脱しきれず、事業から撤退することを決定しました」というメールがきたという。その結果、800万~900万円残ったローンの肩代わりがなくなり、オーナーの男性は突然多額の借金を抱えることとなった。
おいしい話に「知人10人以上に勧めてしまった」後悔する人も...
オーナーは総勢700人にのぼる。あるオーナーの女性は10人以上の知人にオーナーになることを勧めた。「私のように広めてしまったことですごくつらい思いをしている人もたくさんいると思います」と話していた。
おととい14日の説明会は、高級車約240台が放置されている駐車場近くで、立ったまま約4時間にわたって行われた。オーナーたちは車の返却を求めたが、弁護士側は破産手続きを終わらせるまで車を預かることを主張し、オーナーたちは「(お願いに)付き合う理由はないよ」「ただでさえ数百万円の損害が出ているのに」などと声を荒げていた。今後、経営者が謝罪する場が設けられるという。
阿部祐二リポーター「知人の紹介でオーナーになった人もいるようです」
杉山愛(元プロテニスプレーヤー)「よほど信頼した人に誘われたのかもしれませんが、世の中そんなおいしい話はないんじゃないかなと私なら思います」
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「一番の問題はこのカーシェア会社ですが、こういう話には必ずウラがあると考えないといけないと感じますね」
司会の加藤浩次「もう少し詳しくわからないと、何とも言えませんね」