この10月から開始したテレビ朝日深夜2時台「バラバラ大作戦」の1番組。事前情報ではロバート秋山竜次がパン屋さんを探訪するだけの番組とされており、その段階でも一部界隈をざわつかせたが、初回が放送されると、そのおかしな内容にもっとその界隈がざわついた。
今回秋山が訪れたのは、周囲が再開発の工事をしている渋谷区桜丘町の老舗「パリジャン」。家族3人で経営しているお店で、お母さんと息子さんが顔そっくりだったり、「ベーコンソフト」が「ベコンソフト」という表記になっていたりするのを秋山が優しくツッコんだりと、ちょっと『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京)っぽいやりとりも。基本的に番組の雰囲気は同じテレビ朝日の『渡辺篤史の建もの探訪』の建ものをパンに置き換えたような感じなのだが、いよいよパンの試食となるとこれが毎度おかしくなる。
「工事現場の電光掲示板はTikTokのはしり?」って、妙に説得力ある
今回は「カレーパン」と例の「ベコンソフト」を購入。近くに公園があるので、ご主人と一緒にそちらの公園へ。カレーパンを手に取り、「かなりこれ重みがあるから、本当にちゃんと具が入ってるのがわかりますよ。」と秋山。そのまま食べるかと思いきや、周辺の工事のことに触れ始めて「工事で今思い出しましたけど、工事現場であるじゃないですか。電光掲示板みたいなので、車来る人に明るいオレンジ色の電気で誘導しているやつ。あれ実は関わってて。あの中の映像の動きを僕が担当している時もあった。」と言い始める。
そう、これが番組初回からのこの番組のやり口で、秋山が思い出したかのように「実は自分、○○に関わってた」と言い始める。ネタバレになるが大事なことなので書いてしまうと、最後に「この作品はフィクションです。秋山と電光掲示板には接点がありません」と出る。ただし、パン屋さんは本物。
更に秋山は続ける。芸歴2~3年目頃に事務所の社長にそのバイトを誘われ、自分の中で映像モノの仕事が来てテンション上がったらしい。まだセンスで笑わせたいと思っていた頃だから、誘導灯を大きく振ること自体がカッコ悪いと思っていたけど、今思えば全力でやる事の方が大事だったという、イイ話も披露。嘘だけど。まだパンは食べていない。時々映るご店主の顔もこの番組の大きな見所。痺れを切らした顔がいかにも「早くパンを食ってくれよ」と言いたそうで本当にたまらない。
しかし秋山はまだ続ける。「縦の画面で、縦なりの動きみたいなのがあって」「そうなんすよ。縦の人間なんすよ実は」と切り返す。確かに秋山の梅宮辰夫の体モノマネもTシャツを上に脱ぐ縦の動きである。本当は関係ないんだけど。更に、「実は(工事現場の電光掲示板は)TikTokのはしりなんですよ」と妙に説得力のある説を力説し始める。確かに縦の画面、シンプルな動き、短め、ループという要素は全く同じである。そんな話を10分くらい話してから、ようやくカレーパンを食べる秋山だった。 (テレビ朝日:11月4日(水)深夜1:56放送)
鯖世 傘晴