新型コロナ新規感染者が12日、全国で1661人と過去最多となった。北海道で236人、神奈川県で147人、兵庫県で81人、茨城県で26人、岩手県でも10人と5道県で過去最多を記録した。
政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は「緊急事態宣言なんてまた出したくない、という思いが、多くの国民の願いでしょうから。それを回避するためには、今が最後のチャンスです」。西村経済再生相も「爆発的な感染拡大にならないように。より強い措置をとらなければならなくなる」と、警戒を呼びかけた。
東京都は393人(過去5番目)で、小池都知事は「正念場として改めて協力をおねがいする」。一昨日までの1週間では244.3人とその前週間から1.5倍に増えた。国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は、「このままの比率で増えると、4週間後の新規陽性者は4.8倍、1160人になる」と警告した。東京都医師会の猪口正孝副会長は「重症化リスクが高い高齢者が増えている」と報告。東京都では、これまで最多だった8月1日には、20代の感染者が46%、30代を含めて6割以上が若い世代だったが、昨日の感染者は40代以上が合わせて44%と、広い世代に拡散した。
若者から高齢者が、高齢者から若者にうつすケース急増
北海道の長瀬清・医師会長は緊急記者会見を開き、「爆発的な増加で第3波に入った。Go toトラベルの見直しを考えていただかなければならない」と述べた。札幌市が164人と過去最多。道と市は、ススキノ地区の接待を伴う店などに対して、午後10時から午前5時までの営業自粛を要請。応じた場合に20万円の協力金を支給する措置に。同地区の居酒屋店主は「人は歩いていない。もうゴーストタウンみたいですよ」
日本感染症学会の佐藤昭裕専門医は、高齢の感染者が増えていることに注目。「これまでは息子さん娘さんが感染して、その父母が濃厚接触者として来院することが多かったが、最近は逆転して、お父さんやおじいちゃん、おばあちゃんが先に感染して、息子さんお孫さんらが濃厚接触者となる傾向がある」という。若い人たちは重症化することが少なかったが、「年齢を重ねるほどに入院する人たちが増える。医療崩壊が頭をよぎってくる」と同医師は警告する。
司会の加藤浩次「家の中でも、お互い距離をとるとか、暮らしを見直すことが大事ですよね」。司会の近藤若菜「消毒、マスク、手洗い。これまでやってきたことをやるしかないですよね」
「第3波」防衛に妙案はない。身につけた「構え」をもう一度。気を引き締めて。
文・栄