きのう12日(2020年11月)の新型コロナ新規感染者は、全国で1661人と過去最多となった。230人を超えた北海道では、札幌医師会が「このままでは医療崩壊」と危機感を募らせ、北海道医師会は「Go Toトラベルを控えてほしい」と呼び掛けた。
とくに、札幌の繁華街ススキノでクラスターが多発しており、東京などからの観光客がウイルスを持ち込んでいる可能性が高い。医療機関としては「いまは北海道に来ないでほしい」というわけなのだ。
尾身会長「いまが感染拡大を食い止める最後のチャンス」
その北海道以上に東京が危機的だ。きのうの新規感染者393人と2日連続で300人を超え、「40代」「家庭での感染」が過去最多になった。7日平均で比べると、今月4日は前週比106・2%だったのが、おととい11日は147・7%とほぼ1・5倍、陽性率も3・9%から5・0%にアップした。横ばいから急増へ転じたのだ。
東京都のモリタリング会議に出席した国際医療センター病院の大曲貴夫・国際感染症センター長は、「急速な感染拡大の始まり」と警告する。司会の羽鳥慎一は「このペースの増加が4週間続くと、東京の感染者は1日1160人になるということです」と伝える。
ところが、菅義偉首相には危機感がない。「緊急事態宣言やGo Toキャンペーンの見直しについては、専門家も現時点において、そのような状況ではないという認識だと承知している」とのん気なもので、西村康稔・新型コロナ対策担当大臣も「ステージ4なら緊急事態宣言を検討」と特段の対策を取ろうとしない。
白鴎大の岡田晴恵教授「夏は経済と感染防止の両面の対策でよかったのですが、気温が下がり乾燥する冬のこの拡大では、感染防止優先にシフトすべきです」
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「このお正月は、残念だけど、みんなで集まろうというのは考え直した方がいいよね。おじいちゃん、おばあちゃんに会うのもちょっと我慢して」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「いや、来年1月頭(正月)なんかではなく、大曲先生が心配しているようなことが、その前に起こるということですよ。国が手を打たないままでは、初詣は規制するまでもなく、みんな怖くて行けないような状態になっていると思いますよ」
政府の分科会の尾身茂会長も「いまが、さらなる感染拡大を食い止める最後のチャンス」と警鐘を鳴らしている。菅首相は観光業界によっぽど遠慮があるのか。そうえば、政権バックの二階俊博幹事長は観光族の実力者だものなあ。