武田良太総務相は12日(2020年11月)の衆院総務委員会で、「コロナ禍の現状を考えると、NHKは国民のために受信料を下げるべきだ」と発言したことがネットから総スカン状態になっている。いったいなぜか?
武田総務相は、岡島一正議員(立憲民主党)の質問に答える形で、
「(NHK改革に関連し、NHKの)余剰金の問題などコロナ禍において国民のために何ができるか。家計負担を減らす受信料の値下げから着手するのが、公共放送のあるべき姿だ。携帯電話料金の値下げの問題に取り組んでいたとき、多くの国民から携帯電話よりNHKの受信料を考え直すべきだという意見が寄せられた」
とも述べた。
電気、水道の公共料金は家計が苦しい時、利用を少なくすれば減るのに、受信料は見なくてひたすら取られるだけ...
これに対してネット上では、「論点はそこじゃない。受信料値下げ云々の前にスクランブル放送にしてくれ」という意見が圧倒的に多かった。スクランブル放送とは、契約した人だけがテレビを視聴できるシステムのこと。日本ではWOWOWなど、BSやCSの一部チャンネルで実施されている。
こんな意見にあふれた。
「見たい人だけが受信料を払って見る。当たり前のことをなぜしない?受信料値下げよりも国民が望んでいるのは、見もしない放送を強制的に契約させられる理不尽さだ。スクランブル化することこそ望んでいるのであり、たとえ値下げしようと国民の理解は得られない。NHKは観たい人だけが契約すればいい。公共放送と名乗ってはいるが、もはや情報が多様化した現在は負の遺産。これこそ既得権益以外の何者でもない」
「公共料金のほとんどすべては、家計が苦しいとき、利用を制限して節約できます。電気代、水道料金の基本料でさえ、簡単に契約停止や再契約が可能です。ところが受信料は利用(NHKを見ること)を減らしてもひたすら徴収されます。もう黙って耐える人にはなりたくありません」
「国鉄や郵政のようにNHKの解体、分割、民営化を進めてください」
「高い、安い、の問題ではない、テレビがあれば金がとられること自体が問題。視聴者は放送の中身に金を払うのであって、テレビを置いただけで金をとろうという発想をするNHKは、国鉄や郵政のように解体、分割、民営化をぜひ進めてください。必要最低限の国営放送だけを残し、それ以外はペイパービューにするか、一般民放と同じにしなきゃ公正ではない」
といった意見に代表される。
ちなみに政府は基本的にスクランブル化については反対の立場だ。またNHKは、公式サイトで「よくあるご質問 なぜスクランブルをかけないのか」について、概略つぎのように説明している。
「公共放送として、特定の利益や視聴率に左右されず、社会生活の基本となる確かな情報や豊かな文化を育む多様な番組を誰にでも提供する役割を担っています。また、緊急災害時には大幅に番組編成を変更します。スクランブルを導入すると、どうしても『よく見られる』番組に偏り、放送法がうたう『健全な民主主義の発達』の上でも問題があります」(テレビウォッチ編集部)