1952(昭和27)年、ラジオドラマ『君の名は』が始まった。古山裕一(窪田正孝)はその音楽担当だ。当初は社会派ドラマを目指していたが、トラブルが相次ぎ、劇作家の池田二郎(北村有起哉)のアイデアで「何度も何度もすれ違う男女の切ない恋愛ドラマ」に変更された。ドラマは空前の大人気になり、日本中が熱狂した。裕一はこのほかにも歌謡曲や映画の主題歌、校歌など、さまざまな仕事を請け負っていた。
そんなある日、池田は裕一に「次は舞台をやろう」と誘う。ミュージカルやオペラの構想もあると聞き、裕一の胸は高鳴った。
一方、娘の華(古川琴音)は24歳になり、看護師として日々頑張っていた。家と病院を往復するだけの娘の生活を音(二階堂ふみ)は心配したが、華は仕事にやりがいを感じていた。
2人の恋に気付いた裕一は、アキラに難題を課す
ある日、華の病院に足を骨折したロカビリー歌手・霧島アキラ(宮沢氷魚)が入院してくる。担当看護師になった華は、アキラのデリカシーのない言葉や軽いノリにイラつく一方、その存在が気になり出していく。
リハビリに懸命に付き添う華に、アキラは「俺と付き合ってくれない?」と告白する。「運命の人が見つかった」と喜ぶ華だが、父親の裕一にはなかなかそのことが言えない。同業者の上に、アキラの音楽がロカビリーというジャンルなのも気になった。
そんな折、裕一は胃潰瘍の手術を受け、華の病院に入院することになった。しかもアキラの隣のベッドだ。
華は2人の恋を必死に隠そうとするが、裕一は気づいてしまう。そして「華のために1曲書いてくれ、と伝えてくれ。華への愛情も音楽への愛情も、どちらも見極めたい」と言う。あまりに厳しい要求に、華の気持ちは一気に暗くなる。(NHK総合あさ8時)