菅義偉は、とんでもないブレーンの浅知恵を信奉して、安倍政権の失政の結果を弱者である地銀や中小企業になすりつけようとしている。
トランプの残した最悪の遺産は、アメリカ国民を「分断」したことである。それを猿真似した安倍晋三も同じだった。菅義偉首相ではもっとひどくなりそうだ。日本学術会議の任命拒否問題でも、理由を説明できない体たらくで、宰相の器ではないことが就任早々露呈してしまった。周りにイエスマンばかり置いたため、「裸の王様」になっていると文春は難じている。
週刊誌ではないが、文藝春秋(12月号)で数学者・藤原正彦の菅批判が的を射ていて鋭い。藤原も菅には「国家観とか理念があるようには見えない」という。菅の政策の主眼は経験を積んだ経済となるだろうが、その最大のブレーンがとんでもない人間だと喝破する。
「小泉内閣から安倍内閣に至る20年間にわたり政権の中枢にいて、ありとあらゆる巧言と二枚舌を駆使し、新自由主義の伝道者として日本をミスリードし、日本の富をアメリカに貢いできた、学者でも政治家でも実業家でもない疑惑の人物、竹中平蔵氏を任用したのである」(藤原)
さらに、ゴールドマン・サックス出身のデイビッド・アトキンソンをブレーンにする危険性にも言及している。特に、地方銀行や中小企業の再編などをいいつのっている彼のいうことを聞いては国を誤ると指摘する。
これは安倍政権の失政の結果を弱者である地銀や中小企業になすりつけるもので、「首相が外国人アナリストの浅知恵など信奉していては、いつまでもぬかるみから這い出ることはできない」(同)
菅は「口数は少なく剛腕はあるから、『知らぬ間に改革が進んでいた』となる恐れがある。早め早めの内容吟味が必要だ」ともいっている。今のメディアが「吟味」できるのだろうか。(文中敬称略)